『コップクラフト 3 Dragnet Mirage Reloaded』

コップクラフト 3 (ガガガ文庫)
賀東 招二 村田 蓮爾
4094512454


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読了。

妖精や魔物の住む異世界とのゲートが開いた近未来の地球。サンテレサ市警察特別風紀班に所属するマトバ・ケイ、同じく風紀班に配属された実年齢より幼く見えるが堅物の騎士である異世界人美少女ティラナ・エグゼディリカのコンビの活躍を描く、近未来異文化接触警察アクションファンタジー? シリーズの三冊目。


サンテレサ市で名門シャーウッド高校に通う少女が薬物まみれの死体となって発見された。少女はセマーニ出身で弁護士から政治家へ転身を計るモダ・ノーバムの娘で、スキャンダルを恐れたノーバムは捜査に圧力をかけ、娘の死をもみ消そうとしていた。しかし名門高校の麻薬汚染を放置することは出来ない。上からの意向で捜査を担当することになった風紀班では、ティラナを生徒として高校へ潜入捜査させることになった。高校の制服に身を包んだティラナの姿には一片の違和感もなく、本人は憤慨しつつも任務につくことを承知する。



基本的にはアメリカを舞台に異文化に育ったふたりの刑事の活躍を描くバディー物ですが、日系おじさんの相棒が異世界美少女で堅物の騎士である、というところがギャップ萌えなシリーズです。

なにゆえそんなコンビが成立したのか、というところの設定がとんでもなわけですが、そのとんでもな部分を支える細部にいたるまで作り込まれた物語世界のリアリティーと、それがきちんとお話に絡んでいるところがわたし好みなところ。

主人公たちの属する組織内の表面的にはドライなやりとりのつづく中、じつはけっこう人情に厚くていいヤツ揃いなあたり、同著者の「フルメタル・パニック!」シリーズを彷彿とさせて安心感がありますね。

そこにもってきて、マトバ刑事とティラナ・エグゼディリカ嬢のコンビがたいそう生き生きとしてて魅力的で、読んでいてとっても楽しいです。

「フルメタ」でいえば宗介の立ち位置がティラナちゃんなんですが、あたりまえだけど宗介にはなかった萌え要素がティラナちゃんにはてんこ盛りww

堅物ですぐに荒事に持ち込もうとして成人していると言い張るわりに経験不足で不器用なティラナちゃん、すごく可愛いです。

風紀班のおもちゃにされかかってるの、本人自覚して……ないよねえw

マトバ刑事はふだんは軽い言動ですが、じつは過去に辛い経験をたくさんしている大人の男性である、てとこもティラナちゃんとよいバランスだと思います。

今回は風紀班らしい薬物絡みの事件でしたが、なぜか学園物になってしまうあたりに楽しさがありました。ティラナちゃんは大いに不満そうでしたが、彼女には先生役は無理でしょうw

事件そのものはいつも能天気なものではなく、むしろ難民問題などの厳しい現実をふまえた苦さを残すものの多いシリーズですが、話がきちんとまとまっておりコンビの距離がしだいに近づいていくのがわかるので、読後感もよいシリーズです。

わたしはティラナちゃんのセマーニ訛りがたのしいですw
つづきを楽しみにしています。

シリーズ開幕編はこちら。
コップクラフト (ガガガ文庫)
賀東 招二 村田 蓮爾
4094511725

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