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『碧空の果てに』

碧空の果てに (カドカワ銀のさじシリーズ)
濱野 京子 丹地 陽子
404873945X


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読了。

自分を突然否定された小国のお姫さまが、自分を殺さず生きていくための道を探して旅をする。
別の世界を舞台にしたおとぎ話めいた雰囲気の歴史小説。少女向け。


名馬を産する草原の小国、ユイ自治領の首長の娘メイリンは十七歳。人並みはずれた怪力の持ち主である彼女は父親に男であったらと嘆かせる賢く周囲の信頼も厚い姫でもあった。しかし、跡継ぎは弟と決まっており、メイリンの歳に気がついた父親は彼女の才能を否定した。女は男を支えていろというのだ。婿探しに奔走しはじめた父親に表向きおとなしく従っていたメイリンだったが、ある日、いつもの早駆けをするふりをしてユイを出奔する。ともはメイリンの挙動不審を見とがめて着いてきた弟の乳兄弟ティムひとりだった。




男装の麗人!!!

メイリンの人並みはずれた力持ち、という設定がぜんぜん滑稽にならない、むしろカッコいいと思える描写と展開に、こころのなかでキャーキャー言いながら読んでましたw

自分らしくありたいと願う姫君が、出奔した他国で見とがめられないように男装する。
その姿が思いも寄らずに似あってしまい、メイリンの元からの気質もあってだれも気がつかない。
男としてふるまうメイリンに心動かされるひとびと。しだいに居場所を獲得していくメイリン。
そしてうまれるほのかな恋心。

設定的にはラノベでも十分に通用しそうなお話です。
それを上品に、すこし遠回しに、視点をすこしだけ高く描いているのが、このお話が全体的におとなしめに感じられる理由でしょうか。

けれどその分、ひととひととのかかわり、国同士のかけひきなど、物語世界全体が登場人物たちのふるまいと密接にかかわりあって動いていくさまを描いても唐突さがなく、すべてを受け入れる包容力に繋がっているような気がします。

雰囲気的には、『天山の巫女ソニン』と似ているかも。
ただ、このお話に魔法的な不思議要素はありません。
メイリンの力持ち属性がそれにあたるかもしれませんが、それ以外は架空の歴史物といってもかまわないような。

物語世界は賢者の国シーハン、尚武の国アインスなどそれぞれの気候や風俗やなりたちなどの背景が端々にかいま見られ、とてもていねいにつくられていることが想像できます。

この、すこしだけ距離感のあるおとぎ話風の作風が、すべてを違和感なくまとめあげるのに大いに貢献しているなあと感心しました。

ラストもラノベ的でない余韻のある終わり方で、素敵でした。

面白かったです。

ところで、個人的に恋愛展開が物凄く早いのにびっくりしたです。
じつはメイリンもドン引きしてたりしてw

あとねー、メイリンの青い衣すがたに、なぜかナウシカが思い浮かびました。


どうやらおなじ世界を舞台にした続編が出ている模様です。

白い月の丘で (カドカワ銀のさじシリーズ)
濱野 京子 丹地 陽子
4048741640

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