『初版 金枝篇 上』

初版 金枝篇〈上〉 (ちくま学芸文庫)
ジェイムズ・ジョージ フレイザー James George Frazer
4480087370


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読了。

1890年に刊行された「未開社会の神話・呪術・信仰に関する集成的研究書」初版の全訳を二分冊した上巻。

内容は以下の目次で。


 序

第一章 森の王
 第一節 アリキアの木立
 第二節 太古の人間と超自然的なるもの
 第三節 人の姿を取った神々
 第四節 樹木崇拝
 第五節 古代の樹木崇拝

第二章 魂の危機
 第一節 王と祭司のタブー
 第二節 魂の本質
 第三節 王と祭司のタブー(承前)

第三章 神殺し
 第一節 聖なる王を殺すこと
 第二節 樹木霊を殺すこと
 第三節 死神を追放すること
 第四節 アドニス
 第五節 アッティス
 第六節 オシリス
 第七節 ディオニュソス
 第八節 デメテルとプロセルピナ
 第九節 リテュエルセス



……疲れました。
上巻だけを読むのにほぼ一年を費やしてしまいましたよ。

内容は、宗教的なるものの原初を、刊行された当時認識しうる全世界において類似例を抽出して検証しつつ明らかにしていくもの。

自然信仰から発生した儀式は、ほとんどが共感呪術による儀礼であり、そこには神頼みというような要素はなかったとか。

それが受け継がれていくにつれ多くの複雑な意味が失われ、多様な意味を含んだ自然霊がシンプルに合理的に人格化された神となり、それにあわせて理屈が後付けされていったことなどが、論じられている模様です。

とても興味深い題材で退屈なわけではないのですが、俎上に上げられる具体例が大量な上に煩雑すぎて(ヨーロッパはもちろんアジアやアメリカやアフリカの例も一緒くた)、読んでいくうちにだんだん本題がわからなくなってしまいまして(具体例が面白すぎて)、たぶんわたしの脳のキャパシティが小さいせいなんだと思うのですが、それがたいそう難儀で困りました。

この巻の内容をわたしがだいたい理解したところでは、農民の祭りは豊饒を期待する共感呪術から発していて、種まきの時と収穫の時にそれを模した儀式を行っていたものが、いつのまにか豊饒という現象に人格がつけられて神となり、その死と再生を象徴する儀式となったものが、その後キリスト教に否定されて神の部分がなくなって儀式だけが残ったものである……でいいのだろうか。

いまいち自信がないのですが、とにかく読むのが大変だったので、読み終えただけでほっとしています←(汗。

というわけで、下巻に手を出すことには躊躇いが。
興味はあるんだけどこのままの文章が延々続くのかと思うとちとコワイ;

今は読みやすいダイジェストで図版もたくさんついているという情報の図説版を借りて読んでみようかと、思っているところです。

初版金枝篇(下) ちくま学芸文庫 フ 18-2
ジェイムズ・ジョージ フレイザー James George Frazer
4480087389


図説 金枝篇
サー ジェームズ ジョージ フレーザー メアリー ダグラス
4487761581

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