『ロシアの神話』

ロシアの神話 (丸善ブックス)
エリザベス ワーナー Elizabeth Warner
4621061011

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読了。

ロシア民族の精神世界についての概論です。
神話と銘打たれてますが、神話パートよりフォークロアパートの方が充実してて、面白かった。

それというのもロシアが統一国家として成り立つ前にキリスト教化されたという歴史的な背景があるかと思われます。
国として成立した時期にはすでにキリスト教を受容したほうが、わざわざ神話を体系づけて自身を権威化するより、便利だったんだろうな。

それから、キリスト教もロシアにはそれほど熱心に布教をしなかった模様。
ビザンチン帝国のギリシア正教の影響が大きかったからみたいですが、もしかすると寒かったからというのが最大の理由かもと思ったりw

おかげでカトリックで燃え盛った魔女狩りなどは起こらず、フォークロアが現代まで生きのびる遠因ともなったようです。

内容は以下の目次で。


はじめに
異教の神々
 ペルーンとヴォロス/ストリボーグ、ダジボーグ、ホルス/モコシとシマグリル/二重信仰/聖ヴラーシィと聖預言者エリア
四大元素―水、火、地、気
 水/火/地(大地)/気
場所に宿るデーモンと霊
 悪魔とデーモン/場所に宿る霊
死者とあの世
 「自然に」死を迎えた死者/「不自然に」死を迎えた死者/魔術師や自殺者など宗教上の罪を犯した人の死/あの世
魔術師
 誰がどのように魔法を用いるか/魔女ヴェーディマとコルドゥーニャ/男の魔法使いコルダン/ヴィリーナに登場する魔術師マリンカとヴォルフ・フセスラヴィエヴィチ
ドラゴンとバーバ・ヤガー
 ドラゴン/バーバ・ヤガー
おわりに

訳者あとがき
参考文献
索引



体系化されるまえにキリスト教に圧倒されてしまった神様たちは神格を失いデーモンとなってしまったため、あいまいな存在のまま受け継がれてきたようで、神様関係の記述を読んでるともやもやとしてしまいます。どうもはっきりしないのですよね。

むしろ、ブィリーチカ、スカースカ、ブィリーナと呼ばれる民話の方がロシアのゆたかな精神世界を反映しているような。

わたしはとくに、人食いの老婆バーバ・ヤガーに興味をひかれました。
今度は民話関係を当たってみようかな。

ロシアの、表面的にはキリスト教を信仰しているはずなのになんかいろいろとちがうんじゃないか、みたいな雰囲気、いちおう仏教徒なのかしらな表向きでじつはなんでも便利に使ってしまう日本人とちと似ているような気がします。

まあ、そもそもすべての信仰の根はひとつだと考えれば、どれもバージョン違いの問題ということになりますけどねw

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