『ハリー・クラーク絵 アンデルセン童話集 上』

ハリー・クラーク絵 アンデルセン童話集 上 (文春文庫)
アンデルセン ハリー クラーク
4167812045


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読了。

19世紀アイルランドのステンドグラス作家ハリー・クラークの挿画による、「アンデルセン童話集」上巻。荒俣宏訳。

収録作品は以下のとおり。


ほくち箱
大クラウスと小クラウス
おやゆび姫
旅の道連れ
皇帝の新しい服
幸福の長靴
丈夫なすずの兵隊
父さんのすることに間違いなし
コウノトリ
みにくいアヒルの子
ひつじ飼いの娘と煙突そうじ人
モミの木
豚飼い王子
雪の女王 七つの話からできている物語



とにかく、挿画に惹かれて購入した本でございます。
今時のラノベのキャラクター絵とは全く違う、ファンタジックでマジカルな雰囲気のアートな挿画にめろめろしました。

収録作はアニメや子供向け絵本などでほとんどストーリーを知ってるものばかりでしたが、意外に原作を読んだことがないのですね。

現代的な感覚で読むと「えっ、そんなばかな!」といいたくなるような展開がけっこうありました。

たとえばおやゆび姫の献身的なつばめさんとのエピソードとか。

でも、幸福の形が社会的にきっちりと決まっていた時代的な背景を考えると、こうなるのが正解なのだろうなーと思い至ったり。

あと、ストーリーに伏線というものがあまりないようです。
わりと単純に、結末がぷちっと切れてしまうものもいくたりかありました。
ごくごくシンプルな童話ってこういうものなのかもしれないですねー。

それから、千夜一夜と似たようなエピソードが見受けられたのも興味深かったです。
もしかして、アンデルセンは影響を受けていたのかな。

わたしが楽しかったのは「雪の女王」で、主役の少年少女より、少女を助けるいろんな女たち。
そのなかでもとくに異彩を放つ野性的な山賊の女の子が大好きです。
恩返しするトナカイさんにもも少し個性があれば楽しいのになー。

以前、岩波文庫版で読んだ「沼の王の娘」の入ってた本は、無意味にキリスト教要素が入り込んでくるのに違和感があったのですが、それはこの本にはなかったです。もしかして、イギリスで出された版から起こした訳文だからでしょうか。

素敵な挿画に彩られた童話を、いろんな意味で堪能いたしました。
下巻も入手済みなのでその内に読みます。

ハリー・クラーク絵 アンデルセン童話集 下 (文春文庫)
アンデルセン ハリー クラーク
4167812053

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