『銀河のワールドカップ』

銀河のワールドカップ
川端 裕人
4087748073


[Amazon]

読了。

小学生チームのコーチとなった元Jリーガーが、子供たちと理想のサッカーを創りあげていく、地に足のついたサッカー小説。
NHKアニメ『銀河へキックオフ!!』の原作その一。


花島勝は求職中。就職活動に疲れて公園で呑んだくれていたある時、小学生たちのサッカーに視線を奪われる。かつてJ2のチームをJ1へと飛躍させる原動力となったプロ選手で、子供たちの指導をしたこともある花島の鼻先で展開されているミニゲームは、小学生のレベルを超えていたのだ。つい転がってきたボールを蹴り返したところゲームに参加させられた花島は子供たちの目に止まり、チームのコーチになってくれと頼み込まれる。かれらのチームは桃山プレデター。抜きん出た才能を持ち悪魔と呼ばれる三つ子がコーチと衝突したせいで空中分解しているというのだ。



アニメを見てたのですがオリンピックの特別編成のため放送がお休み中。
続きが気になって、つい読んでしまいました。

あー、面白かったー!

淡々としたフラットな文章でどんどん話が進んでいく、スピーディーなサッカー小説です。
サッカー界の現況を踏まえたリアルな舞台で、作者の思い描く理想のサッカーを現実感覚を消し去ることなく追求していくようなお話だったと思います。

なんとなく、雰囲気的にはノンフィクション。
子供たちの能力値の部分と、八人制サッカーの大会が大きなフィクションなんだろうな。

冒頭の視点は元Jリーガー花島勝ですが、必ずしもかれが主役というわけではなく、際立った個性の三つ子がメインというわけでもなく、下手くそなキャプテンにもドン臭いぽっちゃりさんにも、勝ちゃんの彼女にも、大人も子供も登場人物はすべてに物語がある、いわゆる群像劇です。

一つの出来事に対するそれぞれの視点でのそれぞれの思い、それぞれの考え、それぞれの視野が、あたりまえだけどみんな違っていて、それが同時進行なのが、リアリティーを増してますね。それも、なんとなくノンフィクションぽいのかな。

日本サッカーの現況というか、現場の人達の考えてることがリアルで、これは取材や体験から得た物が多いんだろうなーと、サッカーコラムから著者を知ったわたしには納得でした。

ふつうの11人制のサッカーだけでなく、ブラインドサッカーやフットサル、八人制やビーチサッカーなどいろいろと取り上げてあって、それがすべてお話に絡んでくるあたりも面白かったです。

サッカーを数学的な見地から分析するのも、面白かった。

さらに、2005年執筆当時のW杯関係や、レアル・マドリーのスター選手がわらわら出てくるのも楽しいです。
名前は変えてあるんですが、分かる人にはすぐに分かるでしょう。わたしは三人くらいしかわかんなかったけどw

というわけで、情報がかなり盛り沢山なので小説としてはちょっと駆け足気味で、そのあたりもノンフィクションぽさを感じる要因だったかもしれないです。

が、そんなことはあとから考えたことで、読んでる時はどんどん大きな方向に転がってく話にドキドキワクワクしておりました。

とくにプレイシーンの臨場感には熱くなりました。
文章はつねに冷静なんだけどそこだけ描写が分厚いの。
ああ、サッカー小説を読んでるう! という満足感が味わえました。

ラストまで爽快に駆け抜けたって感じですね~。

で、アニメの今後の展開もわかってちゃったわけですがw
大丈夫、アニメは原作のそっけない部分をかなりふくらませてドラマが豊かになってますから。
子供たちのキャラクターがとくに表情ゆたかで、それは子供向けなので当然ですけども、コーチの物語も端折らずに描いてきてますし、や、さすがにあれは省略されるかもですが、これからも期待しています。

まだプレデターに参加していない青砥くんと杉山くんの登場が待ち遠しいです。
あと、玲華ちゃんの劇的アフターにも注目です!

わたしはハードカバーで読みましたが文庫化されてます。
銀河のワールドカップ (集英社文庫)
川端 裕人
4087463001


原作その二。こちらは女の子メインらしいです。
こっちも読みたいw
風のダンデライオン 銀河のワールドカップ ガールズ (銀河のワールドカップ) (集英社文庫)
川端 裕人
4087468062



そしてアニメのDVD。アニメも面白いです。NHKなので再開後に再放送をするかもしれません。
銀河へキックオフ!!Vol.1 [DVD]
B00852NC00

Comment

Comment Form

管理者にだけ表示を許可する