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『ノーマジーン』

ノーマジーン
初野 晴
4591126145


[Amazon]

読了。

天才革職人の残した鞄の修理をしながらほそぼそと暮らす孤独な若い女性と、介護ロボットの代わりにやってきた知能のあるサルの日々と育まれていく友情を描く、寂しさとぬくもりの距離がせつない近未来ミステリファンタジー。


シズカは天才革職人桐島悟の技術を唯一受け継ぎ、彼の残した今は高額で取引される革鞄の修理をして糊口をしのいでいた。下半身不随でひとり車椅子生活をする彼女に介護ロボットが当選し、到着を待ち受けていたところ、やってきたのは小柄な子供――いや、赤毛のサルだった。子供程度の知能のあるサルは言葉を理解し、自分をノーマジーンと名乗り、介護の仕事をしたいという。半信半疑ながらその場の雰囲気にのせられたシズカはノーマ・ジーンに同居を許可する。終末論を唱える新興宗教が巨大な勢力を形成している荒廃した未来で、シズカとノーマジーン、ふたりの日々が始まった。



ハルチカシリーズの作者さんの単発作品です。
面白かったです。

設定はSF。展開はミステリ。読後感はファンタジーでした。

複雑で虐げられた生い立ちからひどく警戒心の強い性格に育ち、唯一の理解者を失って、仲介者や依頼人ともいっさい顔を合わせないまま、孤独に生活する若い女性、シズカ。

それが、いきなりやってきた子供(いや、サルだけど)に生活を引っかきまわされて、でも子供の無邪気さや優しさにこわばりきった心をときほぐされていく、というのは、『赤毛のアン』のアンとマリラの関係を思い出させられました。(アンはマリラ視点で読むとすごく泣けるのですよ。)わたしの一番の弱点パターンですね……。

シズカの生活のリアルなディテールとノーマジーンの無邪気で迷惑なキャラクターが、とても楽しかった。

革職人の仕事も興味深かったです。
革といってもいろんな革があるのねー、とか、それぞれの革の特性とか。
まったく知らない世界だったですね。

シズカの生活の背景となっている、荒廃した世界はすでに現代に現れている兆候をそのまま敷衍したもので、驚くようなことはないけれど具体的なのでリアリティーが素晴らしいです。いや、ディストピアなので素晴らしいとはとてもいえないんだけども。

そのうえに社会的な事件がたくさん織り込まれていて、これはちょっとやりすぎかなとも感じましたが、この物語が現代からつながっているというリアリティーに貢献しているようにも、反対に象徴として機能しているようにも思えて、不思議な感覚になりました。

今は亡き桐島氏との生活とノーマジーンとの生活がオーバーラップするあたりは、しみじみしたなあ。

とにかく、この話はわたしにはしみじみするところが多い話でした。

ハルチカシリーズと比べると、単発のアウトローぽい話に近い雰囲気でしたが、主人公が女性だったからか、それほど殺伐としていないのもよかった。そして、女性視点なのにすっとぼけたようなぶっきらぼうさがあって、これはチカちゃんぽかったですが、べたべたしないのも魅力でした。

こちらはタイムトラベルミステリで中世イングランドものです。
トワイライト・ミュージアム (講談社ノベルス)
初野 晴
4061826506

Comment

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かわいい表紙絵ですね。未来に介護ロボが いるというお話なんですね
これを読んだ 科学者が 介護ロボ 作るかナァ。

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