『白い花の舞い散る時間 ガールズレビュー』

白い花の舞い散る時間 (コバルト文庫)
友桐 夏 水上 カオリ
4086006472


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読了。

2005年度ロマン大賞佳作受賞作品「ガールズレビューステイ」を改題、改稿したもの。
繊細で緻密な青春ミステリ小説。


ミズキは女子高生。進学塾のチャットで知り合ったハンドル名と女子高生であることしかわからない仲間四人と、夏休みにオフ会を合宿として行うことになった。ただし、ハンドルも本名も明かさず、あらかじめ提示された仮名を振り分けて、匿名性を保つことが条件。呼びかけ人のアイリスが提供したのは人里離れたところにある寂れた洋館だった。「ムラサキカン」と表札の出ていたそこで、少女たちの濃密なときがはじまった。



ネットで見かけた本に興味を持って、でも図書館では予約待ちが長そうだったので、同著者の過去の作品を読んでみました。

こんなミステリがコバルトで出てたのか、というのがまず最初の感想。
なんちゃって平安朝ミステリロマンスではなく、現代を舞台にしたロマンス要素のないひたすら心理劇的なミステリです。

そしてこれが、とても面白いのです。

陸の孤島で起きる非日常を描きながら、謎解きに深く心理劇が絡み合っていて理屈っぽくなく、繊細かつ緻密。センシティヴな少女たちにひりひりとするような作品でした。

いわゆるハッピーエンドではないし、救いがないわけではないけど読後感はどちらかというとダーク。

うーーん。
これは、いまのコバルトの読者層には合わなかったかもしれないなー。
と思いました。

作者さんがふたたび発表の場を得られてよかったです。

というわけで。こちらが今回読めなかった本です。
星を撃ち落とす (ミステリ・フロンティア)
友桐 夏
4488017703


余談。

ミステリで謎ときをメインに据えた作品はフィクション性がきわまるのだなーと、読んでいて思いました。
視野が開けなくて世界が狭くて、箱庭みたい。
閉塞感がずしりとのしかかりますね。

いまのわたしはもっと解き放たれるような話のほうが楽だなー。
あ、だからファンタジーが好きなのかもしれないです。

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