『王都の二人組 盗賊ロイス&ハドリアン』

王都の二人組 (盗賊ロイス&ハドリアン)
マイケル・J・サリヴァン 睦月ムンク
4150205418


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読了。

腕利きの盗賊二人組が巻き込まれる事件を皮肉なユーモア交じりに描く、キャラクター重視の異世界ファンタジーシリーズ「盗賊ロイス&ハドリアン」の開幕編。


元軍人のハドリアンと影のような盗人ロイスは、リィリアと呼ばれて同業者からも恐れられる腕利きの盗賊二人組だ。難攻不落の貴族の塔からの脱出を果たして一仕事を終えた後、しばし休息をとるふたりの元にダガスタン貴族デウィット男爵から高額の依頼が舞い込んだ。仕事はメレンガー王宮の礼拝堂から剣豪で知られるピッカリング伯爵愛用の剣を一本盗みだしてくること。ただし、期限は今夜中だ。明日にはピッカリング伯との決闘に臨まねばならないと怯えるデウィットに同情したハドリアンはこの依頼を受けた。ところが、苦労して忍び込んだ礼拝堂でふたりを待ち受けていたのは驚愕の現実だった。




立ったキャラクターたちの言動と二転三転する状況を楽しむ、かるいノリの異世界ファンタジーです。日本のラノベ風といってもいいかな。

翻訳者さんがアスプリンの「マジカルランド」シリーズの方なので、そんな雰囲気を想像していただくとよいかと思われます。

金髪大男で人のよい、剣の名手のハドリアン。
小柄で黒髪の、子供の頃からスリとして生きてきた、皮肉屋のロイス。

彼らを支える娼館の女将などの下町のひとびと。
彼らの出会う、依頼者である貴族やわがままな王族、巻き込まれた修道士などなど、みんな普通の日常を生きてるひとたちで、物語には魔法の雰囲気よりも日常のにおいが満ちてます。

ここまで書いていて、そういえば駒崎優の「足のない獅子」シリーズと似ているかもと思いました。あくまで雰囲気が、ですが。

ひとりだけ伝説の魔法使いが出てきますが、それもあんまり特別感をあおらない書き方がされていて、とにかく主人公たちのドタバタ風味な冒険が面白いです。

正直にいって、ロイスとハドリアンが二人組である理由とか、プロ意識のなさとか、いまいちぴんとこなかったところもありますが、そんなことも深く考えたりしないのがよいのでしょう。

途中までのどちらが味方か敵かわからないスリリングな展開にはとてもひきつけられました。

名前だけの出演かと思っていたおかたが途中からきちんと出てきて活躍されるのも楽しかったです。

シリーズのつづきも刊行済みのようです。

魔境の二人組 (ハヤカワ文庫FT)
マイケル・J. サリヴァン Michael J. Sullivan
4150205477


ところで、“リィリア”ってなんて意味なのかしら?

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