『幻國戦記CROW 千の矢を射る娘』

幻國戦記 CROW -千の矢を射る娘- (GA文庫)
五代 ゆう 山本 ヤマト
4797371897


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読了。

スチームパンク伝奇時代劇?

とても特殊な世界設定なので読み終えたあともわたしはよく判らないままなのですが、(なのであらすじは勘弁してください)そんなことを理解せずとも十分に楽しめるお話でした。

なぜかというと、とてもヴィジュアル的な文章が、これでもかこれでもかと、目に映るように描写をしてくれるから。

きっと、作者様には「こういう映像を見て欲しい」という確固たるヴィジョンがあって、それを忠実にとどけようとありとあらゆる言葉を尽くしているのだと思います。

なのでとにかく描写の密度が濃いです。
ともするとくどいと感じてしまうほどの饒舌な文章です。
まるでいままさに爛熟した果実の皮がはちきれて、中身があふれ出しているような、そんな言葉の奔流に始めはとまどいました。

そのうち、ヒロインの三人称単視点から解放され、複数視点に変化し、物語との距離がとれるようになってきたところで、「面白い!」と感じました。

スチームパンク時代劇と書きましたが、もっとしっくりするイメージとしては、特撮ヒーローものの時代劇だなと思います。

ヒロインを救うために変身するヒーロー。グロテスクな敵役。湧いて出てくる雑魚兵士。
なんといっても戦闘中に技名を叫ぶ叫ぶ叫ぶ!w

物語設定や敵役の造形などに山田風太郎を彷彿とさせる部分もありますが、説明がほとんどなくどこまでも映像的につづく、まさに特撮作品をそのまま文章で表現したようなたたずまいです。

ヒーローが、普段はのんびりまったりにこにこしてるのも、素性を隠して戦うのも、慣れ親しんだ特撮ものの特徴ですね。

わたしは特オタでもなんでもないのですが、あとがきで作者様ご自身があげてらっしゃる作品名をほとんど知ってたりするので(←)、とても懐かしかったり笑えたりして、楽しかったです。

どうやら続編の予定は既に立っているようです。
たぶん、娘が三人そろうまでは続くんじゃないかと思います。

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