『鈴の神さま』

鈴の神さま (一般書)
知野 みさき
4591130053


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読了。

愛媛の山村を舞台に、住人と不思議な男の子との交流を時代を超えて描く、連作短編集。


鈴の神さま
引き出しのビー玉
ジッポと煙管
秋桜
十四年目の夏休み



面白かったです。
ほんのりとした温もりを感じる、和菓子のようなまったりとした味わいの物語でした。

マイナス感情とあやかし要素の少ない『夏目友人帳』と『おじゃる丸』を足して二で割ったような感じでしょうか。
それとコロボックル物語のようなところもあるような。

導入部の現代パートはちょっと淡泊かなと思ったけど、読んでいくにつれて、ひとつの土地のいろんな目に映るいろんな光景が興味深く、時によって変わっていったところと、それでもかわらずに残っていくところがあるのもわかって、それにはあからさまにはならないけれど、土地のみんなが大切にしているなにかが関わってるんだ、というのがつたわってきて、しみじみいいなあと思える読後感でした。

視点人物は最初と最後をのぞき、すべて別人で、しかも、みんな自分の体験をそっと心にしまっていて、そんなかれらが物語の片隅で交差していくのも、素敵でした。

それぞれに、日常のちょっとした謎と思ってるひと、夢のような出来事と受けとめてるひと、完全にひとならぬものと交流をしている意識のあるひと、と様々な受け止め方をしているのもおもしろかったです。

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