『闇の虹水晶』

闇の虹水晶
乾石智子
4022510358


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読了。

幻想色ゆたかな異世界ファンタジー。


——その力、使えばおのれが滅び、使わねば国が滅びよう。
創石師は、ひとの想いを石として形にあらわす。征服者オーシィンに血族を皆殺しにされたときナイトゥルは死にかけた。いまはオーシィンの母キオナの命令で、あちこちに石を作りに出かけていたが、未熟な創石師で満足に仕事もできない。しかも呪い持ちだ。世話を焼くドリュティオナに支えられて無気力に過ごす日々、いつものようにキアナに命じられて北のオアシス都市シトーシに赴いたナイトゥル一行は、その帰り道で森の中に迷い、不思議な出来事に遭遇する。



人との出会いの生むさまざまな関係、色鮮やかな自然、ひとが内に抱える美しく強く深い願望の世界を、つづれ織りのように描き出した、まごうかたなきファンタジーです。

創石師のちからの描写にときめき、砂漠のオアシス都市にあつまるさまざまなひとびとの文化に興味津々、塩の魔女の異様さに息を呑み、闇の虹水晶の不思議に首をかしげ、それがみせる異国の王子の好奇心に運命を感じ。

すべてを失ったナイトゥルの、敵である支配者との日常における周囲とのかかわり合い、創石師としての成長、呪いへの不安と不満、ちかづく戦の予感と緊迫とさまざまな要素を含んで、かなり盛りだくさんなのですが、ドリューとの関係が話の芯となってクライマックスになだれこんでいく様はさすがでした。

あまりに盛りだくさんなので、わたしにはよくわからないままなところがいくつかあったのですが(そのせいでいままで感想が書けなかった)、わからないところもわからないなりに受けとめられたのは、輝かしい水晶と深い闇の魅力が大きかったかなと思います。

これまでの作者さんのお話とは別の世界が舞台なのかなと想像しますが、闇の力が大きな意味を持っているところはおんなじですね。

ナイトゥルとオーシィンの対比が強烈でとても印象的でした。

あと、サンジャル王国の帝国展開が面白かった。
グリフォリスの子供がかわいい〜。

ところで、読んでいるとそれぞれの場面が萩尾望都・絵のマンガとして脳裏に浮かんでくるのです。
なぜかしら。

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