『ミレニアム 1 ドラゴン・タトゥーの女 上』

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
スティーグ・ラーソン ヘレンハルメ 美穂
4151792511


[Amazon]

読了。

スウェーデン経済界に名を残す名家の娘の行方不明事件に、陥れられた記者と無名の女性調査官が挑む、社会派ミステリ三部作。シリーズ第一部上巻。


経済記者ミカエルは大物実業家ヴェンネルストレムへの名誉棄損で有罪になった。確信を持って書いた記事だったが裏付けが消えてしまったのだ。記者としての信用を失い、自身が発行人でもある雑誌『ミレニアム』から距離を置いた失意のミカエルのもとに、大企業ヴァンゲルグループの前会長ヘンリックから奇妙な依頼がなされた。四十年前におきたヘンリックの兄の当時十六歳の孫娘の失踪事件の調査をして欲しい、かわりにヴェンネルストレムを破滅させる証拠をわたす、というのだ。ミカエルが受諾したそのころ、民間セキュリティー会社の登録調査員リスベットは、ヘンリックの弁護士から受けたヴェンネルストレム事件の調査依頼を撤回されていた。



面白かったー!!

とっても久しぶりのスウェーデンミステリは、非常に現代的でありつつお国柄への興味もかき立ててくれる、深みあるサスペンスミステリ、のようです。まだ途中なので断言は出来ません。

歯に衣着せず正義の番人たらんとする記者、ミカエル・ブルクムヴィストが、とある記事により名誉棄損の罪を負うことになったところから話は始まります。

なぜ、かれは嵌められたのか、なぜ、裁判で争えなかったのか、相手の実業家ヴェンネルストルムとは何者なのか。

といった謎が提起されますが、話はそこからすこし横にそれ、大企業グループの起業者として名を刻むヴァンゲル家に起きた悲劇の謎の捜査へと向かいます。
グループの前会長ヘンリックが、ミカエルの窮状を狙って依頼をしてきたからです。

およそ四十年前に起きた、陸から断絶された島から行方不明になったかわいい兄孫ハリエットの行方不明事件を、死ぬ前にどうしても解決したいというヘンリックの願いと、ミカエルの敵ヴェンネルストルムを破滅させる事実を提供するという条件に、ミカエルは依頼を受諾します。

と、これだけでもかなり好奇心をかき立てられるのですが、以降静かな孤島で展開されていくミカエルの調査と並行して、ストックホルムで進行するセキュリティー会社の若き女性調査員の奮闘記がすごい!

ドラゴンの入れ墨を持つリスベット・サランデルは福祉国家スウェーデンにすら見捨てられた、他人に理解されない強烈な個性を放つ孤独な女性。

法に護られたことがないリスベットが他人の理不尽な攻撃から自分なりの論理と方法で自分を守り、敵を排除してゆく姿が圧倒的で、爽快ですらあります。

きてれつな外貌からは想像できない明晰な頭脳を持つリスベットは、自分の居場所を護るために孤独に闘いつつ、ミカエルとヴェンネルストルムの調査の過程で次第にこの事件に興味を持ちつつある模様。

まだ、ミカエルとリスベットに面識はなく、ミカエルはリスベットの存在すら知らない状態なので、今後の両者の合流と事件の行方が楽しみです。

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
スティーグ・ラーソン ヘレンハルメ 美穂
415179252X

Comment

Comment Form

管理者にだけ表示を許可する