『クロノ×セクス×コンプレックス 3』

クロノ×セクス×コンプレックス〈3〉 (電撃文庫)
壁井 ユカコ 村上 ゆいち
4048700456


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読了。

女の子の身体に入ってしまった少年が、全寮制魔法学校でいろんな目に遭う時間SFシリーズ、第三巻。


三村朔太郎は高校生活最初の朝、道でぶつかった美少女と精神が入れ替わり、時間軸と切り離されたクロックバード魔法学校から出られなくなってしまった。身体の持ち主ミムラ・S・オールドマンとしてふるまいつつ事情を探り、なんとか現代日本へと帰還した朔太郎。だがそこには、幼なじみの小町がいなかった。しかも朔太郎のかわりにあらわれたミムラの存在に合わせて世界が変化しており、朔太郎の存在する余地すらなくなっていた。消沈してクロックバードに帰還し、〈永久時間剥奪者〉に「小町を忘れるな」と警告された朔太郎が、太古の地球縮小モデルの中に小町の服の切れ端を発見した直後、クロックバードには恐竜時代の事物がなだれ込んできた。



二巻読了後、苦節二年。ようやく読めました。
面白かったです!

朔太郎=ミムラになりかわったミムラ=朔太郎の腹黒さにあっけにとられ、時空の“ひずみ”に落ちたという小町の運命を憂い、なんてこったい、と学校に帰還すれば、学校がまるごとジュラシックパークに!

心理劇としてのこまやかさと、派手なアクション付きのドタバタ騒ぎのにぎやかさ、キャラクターたちのかけあいの面白さ。安定した作風にたくさんのサービスがちりばめてあって、いろんなところで楽しめました。

朔太郎=ミムラの倒錯しかけているジェンダーの描写が興味深かったです。
ミムラ=朔太郎に対する意識と、オリンピアに対する意識。
身体感覚はどこまで意識を侵食していくのでしょう。

オリンピアのツンデレっぷりはかわいくてたまらない。
九時間後と九時間前が同時行動するところは、抱腹絶倒でございました。

忘れちゃいけないのは時間SFとしての構成力。
二巻ほど交錯してはいなかったけど、この巻では大事な基本設定がどーんと明かされましたね。

随所に時間SFの先達へのリスペクトというかオマージュが感じられるのも楽しかったです。
のりまきせんべいがでてくるとは思わなかったわw

そして、これから話が本格的に動き出す、というところでこの巻は終わります。
そしてこのシリーズも終わりです。
つまり、打ち切り……。

悲しいです。
こんなに面白いのに。

時間SFて敬遠されるのかな。たしかにちょっとややこしいけど、そのややこしいところが、面白くて楽しいところなんだけどなー。

なんとかつづきを出してくれないものでしょうか。
この話を最後まで読みたいですーーーー。

シリーズ開幕編はこちら。
クロノ×セクス×コンプレックス 1 (電撃文庫 か 10-17)
壁井 ユカコ デンソー
4048681451

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