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『雲の王』

雲の王
川端 裕人
4087714551


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読了。

『銀河のワールドカップ』の作者さんの、気象ファンタジー。


気象庁に勤める一職員・南雲美晴は、離婚してひとりで小学六年の息子を育てていた。
日ごろから空を眺め、風のにおいをかんじて五感で天気を予想する美晴は、ある日、自分が熱と風の動きから気象を読み取くものたちの末裔であることを知る。
「外番のつとめを果たせ」と一族の長老から命じられた美晴は、不本意ながら職場でも外番として任命され、通常業務と並行してゲリラ豪雨予報の研究チームに組み込まれてしまった。初めての実証観測で地表から立ちのぼる水蒸気に世界樹を見た美晴は、その後に起きるダウンバーストの兆候を発見した。



冒頭の台風の目の描写からスリリング。
気象のいろんな現象が体感的にわかりやすく解説されていて、とても面白かったです。
気象って当たり前だけど上空の大気の流れだけじゃなく、その土地特有の地形やなにやらに密接に関係してるんですね。
なのに、大気の流れの大元は地球全体で繋がっていて、自転によって傾いた風の流れが生み出す雲の帯がつぎつぎに東へと流れてくる。

想像するだけでわくわく。

日ごろ気象情報を見るのが趣味のわたしにはたいそう興味深いお話でした。
面白かった!

この面白さは科学読み物の面白さです。

じつをいうとファンタジーとしてはちょっと物語に熱が足りない感じを受けました。
読み手と物語、読み手と主人公のあいだに、距離がある。
主人公にはちゃんと彼女の物語があってそれを中心に展開しているのにもかかわらず、気象現象を読み手に分かりやすく説明するための道具のように感じてしまう。
たぶん、作者さんの視点や文章がとてもオープンだからだと思う。
文章の質というか、書き手の視点が、ファンタジー向きじゃないのかも。

じつは、ファンタジーってとてもプライベートなものだったんだなと、気がつきました。

余談。
心ならずも美晴の同僚になった気象オタクの黒木君、いい味出してます。

この作品、映像化すると面白いんじゃないかな。
アニメが一番むいてると思うんだけど、主人公が子持ちのアニメって需要があるのかなw

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