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『風の影』上下巻

風の影〈上〉
カルロス・ルイス サフォン Carlos Ruiz Zaf´on 木村 裕美
4087605086

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風の影〈下〉
カルロス・ルイス サフォン Carlos Ruiz Zaf´on 木村 裕美
4087605094

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この本はものすっっっごく面白かったです。
今年の私の狭く少ない読書量の中で、「ファーシーア」とともにベストになるんじゃないかと思われます。
たしか最初にタイトルを見たのはうさぎ屋さんのとこでしたが、それからあちこちでみかけるようになって、気になって上巻だけ買ってみたんですね。
それで冒頭をちらりと読んだところ古書店の親子と忘れられた本の墓場のシーンに「これはツボだ!」と叫んで下巻を買いに走りました。
で、「これは病院で読もうっと」と決めてしばらく積んでおき、入院時にいそいそと持参したわけですが、そして期待にたがわずたいそう面白く読んでいたわけですが、時間が足りずに術前に読み切る事ができず、術後は体力が無くてなかなか読書に復帰できず、たいそうはがゆい思いをいたしました。

だって、中断したのがよりにもよってヌリアさんの手記の途中だよーーー!!

麻酔の切れた痛みと身動きのとれない苦痛とで朦朧とした意識の中で、わたしゃ何度か続きを読んでいる夢を見てしまいましたよ!

と、それくらいおもしろかったのですが、どういう話なのかを説明しようとしたところでぱたりと言葉が途絶えるのでした。
えーと、一冊の本=運命と出会った少年の成長物語?
その本を書いた謎の作家をめぐるミステリロマン?
スペイン内戦時代をはさんで描かれるバルセロナの光と影、愛と憎しみの物語?

世代を超えて時代を描く物語にありがちなおおざっぱなところはなく、すごく緊密な作品だとわたしは感じました。
さまざまな苦しみと葛藤の後にたどりつく、日常の平穏とラストシーンにはじんわりときてしまいました。
舞台となったバルセロナを知っている方ならまた違う楽しみ方ができるんじゃないかと思います。
お世辞にも明るい話とは申せませんが、物語の雰囲気にどっぷりとひたりたい方にはおすすめしたいです。

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