『花の歳月』

花の歳月
宮城谷 昌光
4062631539

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読了。
中国歴史小説。今回の時代は漢です。
(春秋時代から戦国飛ばしてモンゴルを読んだりと節操のないことをしているせいで、歴史背景を理解するのに時間がかかりました。そうか、漢は劉邦のつくった王朝だったのね……)

主人公が女の子であるせいか、戦がないためか、どこかやわらかくてしっとりとした雰囲気のお話でした。
そしてなぜかどことなく懐かしいような気が。
よくかんがえてみればこの話、昔のヒロインの成功譚の定番オンパレードですよね。親を敬うとか、生き別れになった兄弟との話とか、弱者に寄り添う慈しみの心とか、謙虚さが尊ばれたりするの。
それでむかし読んだ日本昔話のヒロインみたいだなーと。考えてみれば昔は破天荒な主人公ってだいたい男ときまっていたよね。今はヒロインでも当たり前だけれど。というか、あんまりお行儀のよいキャラクターはいまや敬遠されるか茶化されるかではなかろうか。

そんなこんなを思いつつ、けれど文章は相変わらずすんばらしい! なにも抵抗無くすんなりと心に届いてくる。鮮明なイメージ。堪能致しました。やー、やっぱり宮城谷作品の文章は好きだわ。
あとがきに、漢字とひらがなの配分なども考えて書いてると書かれてあって、さもありなんと思いました。

ひとつだけ、宮城谷作品で残念なのはラストの印象がやや弱いこと。ワタクシ的にはこれだけ緊密に進んだ話はもうすこしきりりと終わって欲しいかなーと思うのですが。
この話に限らないけれど、歴史物はこういう後日譚をいれるのがふつうなのだろうか。
この間読んだ『風林火山』はみごとにすっぱり終わってましたが……作家によるのかなー。

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