『百万のマルコ』

百万のマルコ
柳 広司
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マルコ・ポーロが牢屋の中でかたる東方での体験談を連作短篇にしたミステリ、というので買ってみました。私にとってはこれはモンゴルつながりですの。わーい、シルクロードすきー。
と思ったのだけど、かなり予想と違う雰囲気でした。いや、面白かったんですけどもね。

私がつかえてしまったのは、すべての話が物語の山である起承転結の転の部分がまるごと「なぞ」で、みんなで謎解きして終わる、というパターンがつづくこと。これがちと私の好みとは違うのですよね。話がもりあがる~と身がまえたところで現実に戻って肩透かしってかんじになって。ひとつずつは楽しく読めるんですが、同じ構造の話がたてつづくとお腹いっぱい。一晩に三編くらいが限度でした。

でもお話としてはおもしろかったです。異国の雰囲気を味わいたいという期待からは外れていたけど、それにミステリというより、法螺話に近いふんいきかな。「百万のマルコ」にはほら吹きマルコ、という意味があるそうです。雰囲気もあかるい。小説を読んでいるというより、クイズを読んでるみたいだったです。なんとなく一休さんのとんち話って感じ……(笑。フビライ・ハーンと元寇の記述から、以前読んだ井上靖の朝鮮の話と同時代のはずだと思うのですが、まったくべつの世界ですね。
クイズが好きな人ならあれこれ考えて楽しく読めるんじゃないかしら、と思いました。
私はミステリだって謎解きしないヤツなので……アハハ。つーか、現実にこんなことで言い逃れられたら怒ってるだろうなあ……頭が硬いから(汗。

解説は深町眞理子さん。
わざわざ当時のキリスト教徒の異教徒に対する偏見について説明されているところなど、私のいつもの守備範囲とはちがうものを好まれる層が読んでいる本なのかなと感じさせられたことでした。

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