『竜と竪琴師 パーンの竜騎士10』

竜と竪琴師
アン・マキャフリイ 小尾 芙佐
4150116180


読了ー。
待ちに待った……てほどでもないけど存在を知ってからずっと気にかけていた竪琴師ノ工舎ノ長ロビントン師のお話がようやく翻訳されました。嬉しい!

物語はロビントンの誕生から始まり、シリーズ第一作『竜の戦士』の冒頭と重なって終わっています。つまり、この話はロビントンのお話であると同時にシリーズの前日譚ともなっているわけ。

小さい頃のロビントンはあふれんばかりの才能に恵まれているのに微妙に不幸です。それは自己中な父親が上から濃い影を落としているため。このあたり、少年の成長物としてじつにツボを押さえた展開でたいそうおもしろかったです。ロビントンの父親ペティロンがほんとに困ったちゃんなヤツでねー。読んでいて尻を蹴飛ばしたくなりましたが(汗、そういえばこういう、父親のために苦しむ子供と母親の話ってマキャフリイの短編集にもあった気がするなーと思いました。なにかそういう体験をしていたのでしょうかマキャフリイ。と、ン十年前に読んだ話をいまだに覚えている私も同じ穴の狢か……。

成長したあとの話は『竜の戦士』へとつづく伏線がいろいろとあって興味深かったです。でもロビントンの話としてはいまいちと感じました。とてもドラマチックな半生なんですが、『竜の戦士』を意識してか若干距離を置いて書かれているのであまりのめり込めない。侵略者ファックスが勢力を伸ばしていく過程などがわかっておもしろかったですが、そのぶんどうしても前日譚として読んでしまうので……(というより、たぶん私が今になっても成長譚のほうが好きだからかもしれないですが。)
調停役として頑張るロビントンが可哀想でした。向こう見ずな青銅竜ノ騎士フ-ロンにはイライラさせられましたし。これじゃあ死んでも仕方がないなあとか。

というわけで、期待はいつになったら主役が登場するのか。とうとう青銅竜ニメンスが孵化した時はきゃーーーと心の中で黄色い悲鳴をあげてしまいました(笑。
竜たちは全編に渡ってとにかく素敵! 竜と話せるロビントン師がうらやましー。
それと音楽! 竪琴師ノ工舎の日常生活には音楽があふれています。竪琴師のお仕事の内容がよくわかって楽しかったです。

それでついおもわず『竜の戦士』の冒頭を読み返してしまったり。それで昔読んだ時よりも物語世界がよくわかってみたり。昔の自分てほんとに主役視点でしか読んでなかったのね……(汗。

竜の戦士 ハヤカワ文庫 SF 483 パーンの竜騎士 1
アン・マキャフリイ 船戸 牧子
4150104832


この話での唯一の疑問は、パーンの精神世界には既存の宗教はなんにも影響を及ぼさなかったらしいこと。でも、この音楽はどう考えても西洋クラシックなんですよね。西洋音楽の根底にはやはりキリスト教があると思うので、このあたりがちと気になりました。でも、このシリーズはそういうこまかいことを気にして読んではいけないシリーズだとは思うので、とにかくロビントン師の歌声を楽しみました。面白かったです。

それと、カバー折り返しのシリーズ既刊に外伝が載っていないのが気になりました。
ありましたよね、外伝……?

Comment

今日本屋で、「パーン」を見つけました。今読みかけなんですが、ロビントンって、子どもの頃から、結構苦労人なんですね・・・ところで、フ・ロンの竜って、ニメンスでしたよね?なぜ、シマニス?・・あと早川さん、マキャフリの本の翻訳早くしてほしいですよね。「クリスタルライン」とか、「パーン」クロニカル(いるかとか・・)

アンティ・トーマスさん、初めまして、こんにちは。
「パーン」をお読みになってるんですね、ロビントン師は苦労人ですけどご本人の性格が円満なので安心して読めましたよ。

それから、ニメンスのあるじはフ・ラルではないでしょうか。フ・ロンはフ・ラルのお父上ですよね。たしか。

パーンのつづきは私もぜひ出して欲しいとおもってます。

『竪琴師』の残りも楽しんで読まれますよう!

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