『プークが丘の妖精パック』

プークが丘の妖精パック
キプリング 金原 瑞人 三辺 律子
4334751210



読了。

響子さんのレビューを読んで買ってきました。
20世紀初頭に出版されたイギリスの子供達のための歴史ものがたり。
子供達が妖精の輪のなかで出会ったパックに過去のひとびとに紹介されて、そのときはどんなだったか、を話してもらうというお話。
題材はローマン・ブリテンとかサクソン人の侵略の時とか、イングランドの歴史物ではわりと有名所のものだと思います。それを、舞台になっているサセックスのペベンシーとそこにまつわる人物を絡めて描いている。王様たちではなくその脇役というかその他大勢の無名の人が主役で、歴史の大きな流れに流されつつも自分の生を生きているという感じなのがものすごく好感が持てました。
この本、私はとても好きだー。
細やかな自然描写とかそれがいつのまにか物語の一部としての役割を果たしている語り方とか、厳しい現実の中にかれらなりの光明を見つけたりする終わり方とか。
舞台の描写も人間達もリアルなのに、どこかほっとするところがいいなあー。ほっとさせかたも現実的なので、あざとさがないんですよね。
サトクリフが影響を受けたとあとがきにありましたが、たしかにローマンブリテン物はサトクリフが書いたといわれたら信じてしまうかも。『辺境のオオカミ』などを思い出しました。
サクトリフ好きな人にはお勧めです。
子供達がお話をきいたあとでパックに「オークとトネリコとサンザシの魔法をかけられて」できごとを忘れてしまう、というお約束がじつにイギリスの妖精物っぽくて嬉しかったです。
作品の冒頭とおわりに挿入される詩もすてきでした。

続編があるそうなのでこちらも訳出されないかなーと期待しています。
それにキプリングの本をもっと読んでみたくなりました。
そういえば、『ジャングル・ブック』も読んだこと無かったし。……え、なに絶版?

キプリング短篇集
キプリング 橋本 槙矩 ジョセフ・ラドヤード・キップリング
4003222024

辺境のオオカミ
ローズマリ・サトクリフ 猪熊 葉子
4001155664

Comment

こんにちは~、ゆめのさんなら『プークが丘の妖精パック』を気に入られるんじゃないかなぁと思ってました(*^_^*)。
自分も子どもたちと同じようにプークの魔法にかかって、過去からやってきた英雄が語る物語に胸を躍らせ、夢中になっていました。詩もいいんですよねぇ。
それにしても、こんな名作がいままで紹介されてなかったなんて! 出してくれた翻訳者と出版社に感謝です!! 私も続編を熱烈希望中!!!
原書に挑戦してみたい気もしますが、読み切れる自信が…orz。
『ジャングル・ブック』は私も未読なんです。読みたくなったんだけど、絶版ですよね、やっぱり。
図書館なら置いていると思うんだけど、うちのしょぼしょぼ図書館じゃ、ダメだろうなぁ(^_^;)。

素敵な本を紹介してくれてありがとうございます!
響子さんの読み通り(笑、ほんとにすっかり気に入ってしまいましたよ。最近読んだ中ではダントツです。
続編、出してくれるといいですねえ。でもあんまり見かけませんよね、この本読んだって記事。
ファンタジーだけじゃなくイギリスの児童文学お好きな方にもいけるとおもうんだけどな。

>『ジャングル・ブック』
まさか絶版とはー。超有名な本なので素通りしてたんですよねー。そういう本って案外多いですよね。図書館ならあるかな、たぶん……。

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