『華栄の丘』

華栄の丘
宮城谷 昌光
4167259141


読了。
春秋時代のちと手前の宋の宰相、華元の生涯をえがく歴史小説。
うーん、よかった。面白いというより、しみじみといいなあと感じるシーンがたくさんあるお話でした。たんたんと史実を連ねたあとにふと訪れるしずかな明け方の時間なんて、とうとうと流れてきた時が一瞬うごきを止めたかのよう。登場人物の世界がとつぜん身近に迫ってくるこういうシーンがとても好きです。詩情あふれるというのかな。

主人公の華元は出目でふとってる厭戦主義の戦略家。この一風変わった人物とあるじである宋の文公、文公の父の妃である王姫を中心に話は動いていきます。
先手を読んで読んで読み切ったあとに満を持して行動を起こす華元の本領と限界が宋の国運を左右していく様がおもしろかったです。

キャラ的には私は華元の家宰のじいさまと、のちに家宰となる若者、士仲のコンビが好きです。
士仲の華元につくす様はまさに家来の鑑!
華元が捕虜になってしまうくだりはまさに士仲のためのエピソードかと思われました。
脱出に成功して朝を迎えるシーンは感動物です。

しかしこの話もまた後日譚の伝聞で終わるのでした。
宮城谷作品は冒頭がとても印象的な現在形なのに最後がいつも過去形で説話じみているのがなんとなく納得いかない……。

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