『鳥籠荘の今日も眠たい住人たち 3』

鳥籠荘の今日も眠たい住人たち 3 (3) (電撃文庫 か 10-13)
壁井 ユカコ
4840239355

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読了。
通称鳥籠荘と呼ばれる奇人変人たちが住むアパートでくり広げられる、奇天烈でふしぎでひょっとするとダークで、けれどかなりほほえましい連作短編集。

今回は落雷で起きた停電を中心に、あっちの子たちとこっちのひとたちとが右往左往しているあいだになんと殺人事件が起きていた――というつながりで一冊まとまっています。

着ぐるみパパと暮らす山田華乃子ちゃんとそのクラスメート加地梢太くんの小学三年生コンビの話はひたすらほほえましくて、あーもうなんてこの子たち可愛いの、むぎゅ! とやってしまいたいくらいでした。

一応シリーズヒロインの衛藤キズナとその雇い主でゲージュツカの浅井有生の話は、有生のいとこ井上由起にかきまわされてびみょーに変化する二人の距離感にドキドキするかとおもうと絶妙のタイミングで外される、これまたほほえましい笑いに満ちたコメディー。

最後のまとめがちと黒めな感じで、この題材をこんなふうにあっけなく使ってしまうのかーと少し驚いた、窮地に陥った王子様を救おうとしていたお姫様がいつのまにか絶体絶命になってしまうお話。
ラストの爽快感と有生のトラウマのとりあわせがこれまた絶妙でありました。

おまけ短篇「着ぐるみには着ぐるみを?」にはひたすら笑いました。
西部劇のガンマンとアライグマとペンギン……(笑。

そうじてこのシリーズには『キーリ』の悲壮感がないかわり、なんでもひっくるめて笑い飛ばしてしまうような懐の深さを感じます。

何が起こっても不思議はない。
何しろここはホテル・ウィリアムズチャイルドバード。〈現実(リアル)〉と〈非現実(ファンタジイ)〉とが交じりあう場所。



続きをお待ちしています。

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