『孟夏の太陽』

孟夏の太陽 (文春文庫)
宮城谷 昌光
4167259052


読了。

中国春秋時代を舞台に晋に仕えた趙一族の、波瀾万丈な行く末をえがく、連作短編集です。

私は、のちに名君と呼ばれる重耳の流浪の旅につきしたがって孤氏の集落にやってきた趙衰とかれに娶られることになった叔隗の話がたいへん好みでした。主人公はかれらの息子趙盾なんですけどね(苦笑。

その後は趙盾にはじまりかれの子孫が、趙氏の中心として晋国のなかや他国との権力闘争を生き抜いていく話となります。対立する豪族の罠にかかったり主君に権勢を疎まれたりして、滅亡の危機にさらされたのが臣下の命がけの行動によって救われたり、その歴史はまさに波瀾万丈。

その上がったり下がったりが大変な物語を、端正な文章でしずかに力強く描き出す文章にまた酔いました。

短篇だけに最後の「後世から見たひとむすび」というのがなくて、最後まで緊張感が途切れなかったのもよかったです。

ところで、この本は短篇が全部で四編収録されてまして、当初の計画では一晩一編という予定だったのですが、途中狂いが生じ3編目の途中で寝落ちしてしまったため、その後理解できない部分が頻出。
自分の脳内メモリの機能の悪さに溜息が出そうですー。

だいたい、私は宮城谷作品を最初に読んだのが『重耳』のはずなのに、最初のエピソードをぜんっぜん覚えてませんでした。もちろん趙衰も「あなたダレ?」状態。たしかに読んだのはたぶん十年以上前だったと記憶していますが、それにしても……。→1995年でした。

しかし、高貴な賓客がやってきたからって敵対氏族から娘さんを嫁にするために奪ってきたりするなんて、古代の中国はおそろしやです(汗。

つぎは何を読もうかなあ。
ついうっかりと晋まで来ちゃったから、重耳関連のひとびとのはなしにしようかな。

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