『吸血鬼ドラキュラ』

吸血鬼ドラキュラ (創元推理文庫)
ブラム ストーカー Bram Stoker 平井 呈一
4488502016

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弟が蔵書整理をしていた時に譲り受けたモノ。
そういえば、吸血鬼ものはいろいろ読んだけど原点とも言えるこの作品は読んだこと無かったなーと思いまして。

読み終えて思うのは、「これはやはり原点だった」。
いろいろと趣向を凝らしているようだけれど、つまりは一方的に人間側から見た化け物退治のお話でした。
吸血鬼側の事情などはまったく斟酌されず、ただ奇っ怪で怖ろしげな容貌と力を持った不死者、悪の権化としか描かれてません。

対する人間側の心理描写などもそれほど深くは描かれてはおらず、なにもしらずに読んでいたらそれなりに楽しめるかもしれませんが、すでに筋書きを知っている身としては驚くようなことはなにもなく……つまり、だから原点なのねーというわけです。

たぶん、この話を読んでいろいろと自分なりにつけ加えたいところ掘り下げたいところを持った人たちがあらたな吸血鬼伝説を書き続けてきたのでしょうねー。

それと、発表時の年代(19世紀)や作者の経歴も反映されているのだと思うけど、なんとなーく舞台演劇っぽいなーと思うところがあります。なんでこんなに登場人物がいるの、とか。

十九世紀のロンドンといえばヴィクトリアンなわけですが、当時の人びとがそのいちいちを愛でているはずもなく、描写はしごくあっさり(笑。なのでヴィクトリア朝のロンドンを楽しみたいという向きにはあまり期待できないかもしれません。
当時の建前的なモノの考え方などはよくわかるかもしれませんが。

あと訳も結構古いので、ところどころ意味をとるのに苦労するところがありました。
「うじゃじゃけた」傷口ってどんなんでしょう?

私としてはおなじ吸血鬼ものでもカーミラのほうがエロスと雰囲気があって好みだなと思います。
吸血鬼カーミラ 創元推理文庫 506-1
レ・ファニュ 平井 呈一
4488506011


本編では吸血鬼の伝承についてはほとんど流された状態なのでもし知らない人がいらしたらこれなど読むと伯爵の背景などがわかります。↓
ドラキュラ伝説 吸血鬼のふるさとをたずねて
ラドゥ・フロレスク レイモンド・マクナリー 矢野 浩三郎
4047030260


ちなみに吸血鬼もので一番最近に読んだもの↓
モンスターズ・イン・パラダイス〈1〉 (新書館ウィングス文庫)
縞田 理理
4403541097

『ドラキュラ』のはじめのほうでの犠牲者ルーシー・ウェステンラの名前を見たとたんにニヤリとしました(笑。

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