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『エンドロールまであと、』

エンドロールまであと、 (小学館ルルル文庫 か 2-1)
壁井 ユカコ
409452021X

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読了。

旧家に生まれた一卵性の双子は厳しい祖母の監視下で共依存して育った。ところが、高校生になった双子の姉の佐々右布子は超のつく虚弱体質のままなのに、弟の佐々左馬之助はふつーの健康な男子になった。ふたりは自分たち以外の友達を作るという約束をするが、保健室の備品状態で一歩も動けない右布子をよそに左馬之助はさっさと友人を作ってしまう。左馬之助はどんどん変わってしまうと疎外感を感じる右布子。だが左馬之助の事情には気づきもしない。そのうち、参加している映画研究会で映画を作ることになり、右布子は主演女優をすることになるが……。

というようなお話。
『キーリ』の作者さんの現代青春ものです。
描き方はやっぱり『鳥籠荘』の作者さんらしく、ちと奇天烈なところがありまして、そこがまた好きなんですが、まったくもっていまの現代の、しかもまっとうな青春ものです。
一昔、いやもしかしたら二昔くらい前の集英社文庫コバルトみたいな。
(むかしはコバルト文庫じゃなかったんですよ……)

作者さんのぜんぜん幻想やSF風味がないお話ははじめてでしたが、これは悪くなかったです。
つーか、たぶん高校生の時に読んでたらものすごくカンドーしていたと思います。
禁断の愛とかは置いておいてきますが(笑。
ああ、青春時代に読みたかった……そしたら純粋に感情移入してたかも。
でもものすごくイタかったかも……。
いまでも部分的にイタかったりしたけど。実は私もペットボトルの蓋が開けられないんです(汗。

青春もので恋愛ものなので、さすがにこのトシになるとこっぱずかしい部分が多々あって、完全にのめり込んだりはできませんでしたが、人生のある一時期、視界がせまくて矛盾だらけで、縛られてばかりいると思っていて、それでもその一瞬がのちのちきらきらと光って見えるのだろうなー、というような青春時代を描いたお話だったと思います。
そのことを自覚している西丸くんがいちばんかわいそうだったかも。いや、左馬之助もそうか。

いつもの硬質な描写が少ないのがちと残念でしたが、これは少女小説仕様ということなのでしょう。
生理生理と連呼しながらもこの清潔感はやはり作者の持ち味だと思う。

これがベストだという終わり方。前向きだけど私はちょっと不満。
現代物だと飛んでしまえないから不自由ですな。
これがもしSFだったら、こんなふう↓に解決できたかもしれないのにねえ、と思った。
愛に時間を (1) (ハヤカワ文庫 SF (581))
ロバート・A・ハインライン
4150105812

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