『王への手紙 上』

王への手紙 (上) (岩波少年文庫 574)
トンケ・ドラフト 西村 由美
400114574X

[Amazon]

読了。
本屋で見かけてから読みたくてしかたがなかったシリーズ。
オランダの作家が1962年に書いたヨーロッパ中世風異世界冒険ものの上巻です。

内容は、騎士叙任式の前夜、外からの助けを求める声に応えて最後の試練の最中にぬけだしてしまった少年が、隣国の陰謀に巻き込まれ、だれにも知られずに隣国の王への手紙を運ばなくてはならなくなる、というお話です。

状況のまったくわからないなかで、騎士叙任式を抜け出してしまった罪悪感とたたかいながら亡くなる騎士に託された使命を果たすために前進する騎士見習いの少年ティウリの悪戦苦闘が地に足のついたおちついた文章で語られます。

ファンタジーらしい魔法の気配はいまのところ見あたりませんが、異世界ものとしては世界はきちんと構築されているし、地図もあるし、ひとびとの生活のにおいがただよう描写が素敵な、わたしの好きな部類の作品です。
挿絵も作者さんが描いているとのことで、状況がじつに映像的に浮かんでくるおはなし。

うん、私の目に狂いはなかった(笑。

そういえば、これってオランダの児童文学なんですね。
オランダの小説ってあんまり読む機会がないのですが、固有名詞がすこし変わっていて面白いなーと思いました。
騎士に呼びかける時、「○○騎士」というのは英語ならサー・○○になるのかなーとか。

そういえば、騎士がたくさん出てきますが、そのひとたちはそれぞれに個人のいさおしをうたわれるような立派なひとびとのようですが、土のにおいのする描写のせいか浮世離れした雰囲気は皆無。
善人ばかりでない、かといって完全な悪人ばかりでもない、いまのところ非常に庶民的なふんいきで物語は進んでおります。

さあ、下巻を読みましょう。

Comment

Comment Form

管理者にだけ表示を許可する

Trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)