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『新 アラビアンナイト』

新アラビアンナイト (集英社文庫 し 22-14)
清水 義範
408746203X

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読了。
タイトルというより装画に惹かれて購入した本。
買ってから、そういえば清水義範を読むのは久しぶりだなーと思い出しました。
しかしどんな話を書く人だったかいまいち思い出せなくて、いつものことですがどうしようもなく苦笑いがうかんできた。
たしか、パスティーシュの名手として一時話題になったのですよね。
パスティーシュという言葉の意味がよくわからなかったので、理解できないままに読んでいたのかもしれない……。

閑話休題。
この本は、白泉社の雑誌『MOE』に連載されていた短篇に、ケータイ雑誌『the どくしょ』に連載された短篇を合わせたもの。
たぶん、まったくパスティーシュではありません。
ごくごく素直に、イスラム圏の事物とか言い伝えとか歴史とかを題材にしてきれいにまとめたおとぎ話風の短編集です。
著者は四十歳にして飛行機旅行に開眼し、それ以来イスラム圏をいろいろと旅して回ったそうです。
どうりで、かなりいろんな場所が舞台になっているなーと思ったですよ。
ちょうど読んでいたシリーズにあちこちオーバーラップして、かなり楽しんで読めました。
題材も広範囲にわたっていて偏りがないし、千夜一夜に期待されるふしぎなできごともきちんとおさえられている。
事実と反して流布しているイスラームに関するイメージをただしてくれるような記述が随所に見うけられて、読んでいてきもちのよいお話ばかりでした。
「アラビアンナイト」と銘打ってあるので阿刀田高の本みたいな再話本かとおもったけど、きちんとしたオリジナルです。

ヨーロッパ人による翻訳物よりも原典の雰囲気に似ているんじゃないかなとおもいました。
原典の日本人には受け入れにくいけどアラブ圏の人には物語的なお約束なのだろう、ある種独特の過剰さ(とくに感情的な。すぐに泣きわめくし、失神するし、服を破いたり、精神に異常を来して放浪したりするのであっけにとられてしまう;)がないので、むしろ初心者にはこちらのほうがおすすめしやすいかもしれない。

短篇といいますがひとつひとつがほんとうにみじかくて、でもきちんと独立していて、さらに語り口がさらりとしていてそのさらりがかなり男性的なさらりなので、大変明解でわかりやすく読みやすかったです。
すこしの気分転換に読むのに最適な本かと思いました。

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