『ストラヴァガンザ 花の都』

ストラヴァガンザ 花の都
メアリ ホフマン Mary Hoffman 乾 侑美子
4092903731

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読了。

現代のロンドンからルネッサンスのイタリアによく似た異世界タリアへと移動(ストラヴァガント)する少年たちを描いた、冒険プラス陰謀ファンタジー。
三部作の完結編。

これも長らくご無沙汰でした。あー、やっと読めた……。

ヴェネツィア、シエナときて今回の舞台ジリアのモデルはフィレンツェ。敵役キミチー一族のモデルはメディチ家と言うことで、復讐やら陰謀やら暴力やら毒殺やら謀殺やら政略結婚やらと、ど派手にストーリーは進行します。

いっぽう、主人公のスカイはアフリカ系のロックのスーパースターの私生児で、母親の病のためにがんじがらめになっている少年。ドレッドヘア。かれがストラヴァガントするのがジリア郊外の修道院なんですけど、このものすごいミスマッチにほとんどダレも違和感を覚えないのがジリアの包容力?

ともあれ、かれは学校の知り合いがストラヴァガントの仲間だと言うことを知り、これまでの登場人物たちがすべてなにかしらの事情を抱えたまま集合。

キミチーの当主がベレッツァの女公主にめぐらす陰謀を阻止する、というメインストーリーとともにあちこちでかれらの事情が絡んだ複雑な展開となり、かなりぎゅうぎゅうと詰め込まれためんどくさいお話となりました。

張り巡らせたすべての伏線を回収するためにはしかたなかったんだろうなー。
つーか、わざわざ伏線にしなくてもいいんじゃないか、というような要素まですべてすくってくれた気が……(苦笑。

淡々とした簡潔な文章で手際よく進んでいくので混乱するようなところはなかったですが、ちとシーン事の濃度がうすいなあと思われました。もともとあんまり愛想のない文章なんですけどね。今回はとくに感銘を受ける描写が少なかった気がする。

私としてはアリアンナとルチアーノの話をメインにして、ジョージアとニコラスは出てこない方がよかったんじゃないかと思ったり。

ただ、出てこなければ出てこないで、「何故あいつらはなにも気づかないのか!」と突っ込んでいたろうと思うので比較すると納得できる展開だったのかもしれません。

三部作共通して、クライマックスが「お祭り」「祝祭」という構成は嫌が応にも盛り上がりますね。権力者同士の陰謀はお金がかかることだなーと、華やかな結婚式のシーンを読んでいて思いました。

ラストで、ニコラスがそのまま突っ走ってくれなくてホントによかったです。
かれが暴走して意志を通していたら、私はこの話を読んだことを後悔するところでしたから。

この巻ではキミチーのスパイの使いっ走りをしている少年サンドロが少しずつ変わっていく姿がよかったです。

というわけでいろいろと書きましたが、いろいろと書きたくなるくらいに三部作みんなおもしろかったです。
私がとくに好きなのは第二巻の『星の都』だなー。

ストラヴァガンザ 仮面の都
メアリ ホフマン Mary Hoffman 乾 侑美子
4092903715

ストラヴァガンザ 星の都
メアリ ホフマン Mary Hoffman 乾 侑美子
4092903723

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