『恋のドレスと大いなる賭け ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』

恋のドレスと大いなる賭け (コバルト文庫 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (あ16-17))
青木 祐子
4086010801

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ヴィクトリア朝ロンドンを舞台に仕立屋の女の子と公爵家の御曹司の恋を、女の子の仕立てるドレスに絡めて描く、少女向けロマンスシリーズの九冊目。

今回はクリスに強力なライバル現る、の巻。
シリーズ的には今までで最高に盛りあがったのではと思われます。

諸事情により細切れに、しかも途中とばして読んでしまって後戻りしたりと、なんだか不幸な読み方をしてしまいました。

だからシャーロックがどんな所業におよぶかをちっとばかり先に知ってしまいましたが、そのときの「おーぬーし、なあにやっとるかー!」という絶体絶命のピンチで特大エラーを見た時のような憤りは、きちんと順番通りに読んだ時には「ああ、あんたもふつうの野心家の打算的な世間体に流されるずるい男だったのね」というところにおさまりました(苦笑。

ずるいというのは、とくにクリスにはっきりと答えを強要しておきながら自分はなんら確定的ことをいわずになんとなくわかるだろーてな雰囲気のみでお茶を濁しているところとか。
確実なことしか言いたくないと本人は言ってますが、はたからみれば逃げ場を残すために言質を取られまいとしているように思えますな。

というわけで、かれは「特別な男」ではなくて、ふつーの優柔不断なヘタレ男なのだ、とはっきりとわかりました。

ああ、シャーロック、汝は哀れな男。

いっぽう、今回のお客様アディル・オルソープ嬢。
まさに上流階級の純粋培養、プライドの高いお姫様。
育った環境になんの疑問も持たず、他に興味もなく、ただ自分の置かれている立場ははっきりとわきまえていて、周囲に対する影響力を最大限に行使しようとし、その度胸も意志のつよさも並々ならぬものをもっている。

恋も勝負事と捕らえるこの方はそうとうな強敵です。

うーむ、このあとどうなるのでしょうか。

つーか、このシリーズ、シリアスに考えると絶対にハッピーエンドにはならないよな、
と、読み終えるといつも思ってしまう。

でも少女小説なのに、ふたりとも想い出を胸にそれぞれ別のひとをみつけ、別の人生をあゆみます、てな終わりだと凄いブーイングだろうし。

というわけで、どんなどんでん返しが用意されているのか、それがとっても楽しみなのでした。

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