『毒杯の囀り』

毒杯の囀り (創元推理文庫)
ポール・ドハティー 古賀 弥生
4488219020

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読了。
14世紀のロンドンを舞台にした中世ミステリシリーズの一作目。

中世ロンドンの街の現実をこれでもかこれでもかとリアルに再現してくれる、私にとってはヒジョーに楽しい本でした。
はっきり言って謎解きは二の次だ(笑。
賑やかで猥雑で不潔で雨が降ればさらにどろどろな中世都市。
中世に騎士物語だのなんだのの夢を抱いているひとはもしかしたら幻滅してしまうような、たいそう不衛生なようすがたまらなくいとしい←お馬鹿。
ここに住め、といわれたら迷うことなく逃げ出しますがね。中世に住むんだったら農村の方がマシよね(苦笑。

そのリアリティーのなかで活躍する探偵役が、飲み助の検死官クランストンと生真面目な苦悩する托鉢修道士アセルスタン。
巨漢(デブとも言う)中年のクランストンとまだ青年といってもよいインテリでスマートなアセルスタンのコンビは、解説にあるとおりイギリスミステリの定番コンビ。
巨漢というとレジナルド・ヒルのダルジール警部を思い出しますが、じつはラグビーでならしたダルジールのようにわがクランストンも物語中で意外な俊敏さを発揮します。
アセルスタンは罪を背負いつつシニカルにものを見ますが、いっぽうで星を観察するのが好きだというロマンチスト。

エリス・ピーターズのカドフェルシリーズと比べると探偵役にまだまだいろいろとドラマがありそうな、活発なシリーズになりそうです。

ところで、ランカスターがどうのこうのいっているということは時代背景的にはどのあたりが絡んでくるのかなあ……。こんど調べてみよう。

謎解きについては何も書きませんでしたが、私はミステリ読みではないのでご容赦を(苦笑。
その他の感想というと、翻訳がいぜんどろどろした愛憎ミステリを訳されていた古賀弥生さんだったのでびっくりしたことくらいかな。

シリーズはつづきが出ている模様です。
赤き死の訪れ (創元推理文庫 M ト 7-2)
ポール・ドハティー 古賀 弥生
4488219039

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