『古時計の秘密 ナンシー・ドルーミステリ1』

古時計の秘密 (創元推理文庫 M キ 5-1 ナンシー・ドルーミステリ 1)
キャロリン・キーン 渡辺 庸子
4488250033

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読了。

少女探偵の活躍をえがく少女向けミステリシリーズの第一作。

十八歳のアメリカ人少女ナンシー・ドルーが難事件を次々と解決する(らしい)、1930年からキャロリン・キーン名義の複数作者によりいまだに書き継がれているというこのシリーズ、欧米では長く親しまれてきたらしく大人向けのミステリにもナンシーのことはよく引用されます。私もあちこちでそんな表現を読んだことがあります。

少女探偵といってもアメリカのことですから、弁護士の父親のプレゼントであるブルーのコンバーチブルを乗り回すという十八歳なんですが、この本が書かれた当初はまだ現在ほどは世の中がくだけていなかったようで、ナンシーは実に礼儀正しい少女です。……つーか、私にとってのアメリカの十八歳はいまじゃ少女というイメージではないですから、この言葉が似合うということじたい作品の古風さを感じるのではありましたが。

ただ、明るくフレンドリーで親切である、というのはアメリカ人の美徳の条件としてむかしから受け継がれているのだなあとも思いました。必然的にナンシーはみんなの人気者です。そして父親も威厳はありますがじつに公正かつフランクな人物として描かれてます。これも典型的な善きアメリカ人ですね。
深みはないですが嫌味も感じず、無邪気な時代の善きアメリカという雰囲気の物語世界です。

そして物語は、描写はほとんどないですがナンシーの行動力でどんどん話が進んでいくのが快感。勧善懲悪の展開も読んでいて安心感があり、児童向けとして配慮されつつもじつによくできた娯楽作品であるなあとしみじみいたしました。
あっという間に読めて幸せ気分という、大人にとっても暇つぶしには最適な読み物なのではないかとおもわれます。

さらに、小学生の時に学校の図書室で複数タイトルを読みかけ読みかけして結局一冊も最後まで読めなかったシリーズを初めて読み通したということで、そこはかとない達成感にひたったワタクシです。
三十ン年越しの未練にようやく決着が付いた気分です(笑。

あとがきによれば今回の創元推理文庫のシリーズは原書を元にした完訳版。
以前は抄訳が多かったそうなので昔の読者も一読の価値あり、ということです。
以前の版をちょっとずつですが読んでいたはずの私には、どこがちがうのかさっぱり思い出せませんでしたが……(汗。


積ん読しているうちに第2巻が刊行されていました。
幽霊屋敷の謎 (創元推理文庫―ナンシー・ドルーミステリ (Mキ5-2))
キャロリン・キーン
4488250041

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