『伯爵と妖精 紅の騎士に願うならば』

伯爵と妖精 紅の騎士に願うならば (コバルト文庫 た 16-33)
谷 瑞恵
4086011115

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読了。

ビクトリア朝のイギリスを舞台にした妖精博士の女の子とタラシ伯爵のロマンティックファンタジー。シリーズ13冊目。

とうとう伯爵と婚約したリディア。でも彼女の心はまだ実感が薄くとまどい気味。結婚式の準備を着々と進めつつようやく婚約祝いのお返しを思いついた彼女はエドガーが喜ぶような贈り物を思いつかない自分に暗澹とする。そんなおり、母親の故郷であるヘブリディーズから若者ファーガスがいきなり訊ねてくる。かれはリディアが自分の生まれる前からの婚約者であると主張する。いままで聞いたこともなかった母の親族の出現はリディアにとんでもない危難を運んでくるものだった。



というような感じでお話は始まります。

今回の読み所は、いつも迫る伯爵から逃げるばかりだったリディアが、必要に迫られたからとはいえ自分からエドガーに猛アタック――といってもリディアだからささやかな試みなんですが(笑)――をするところですか。

距離が離れたところで自然にエドガーの自分に対する特別待遇を客観視し、さらにエドガーが自分に対して感じていただろうせつなさにまで思いをいたし、このひとがほんとうに好きなのだと自覚するという、まさに「恋愛もの」的な楽しさににんまりとしてしまう展開です。

わたしとしてはレイヴンの成長に目を瞠る巻でした。
いつもの天然ボケ突っ込みは当然として、いつのまにか「おお、お友達ができたのね、よしよし」的展開に。しかし相手のニコからは苦笑いが浮かびっぱなしのようですが。

「ではこれからも、見捨ててもいいのですね」
「お……おう」



今回はここがいちばん笑ったです(笑。

サブタイトルの「紅(くれない)の騎士」は、メロウから授けられた宝剣にかかわるエドガーの苦悶のはじまりを暗示しているのかな。
プリンスのことをさっさとうちあけちゃえばいいのにー、と思うのですが、エドガー的な矜持の持ち主にはそれはできない相談なのね。

まだまだ一波乱ありそうな展開ですが、しずかに続きをお待ちするしかなさそうです。

私的にはレイヴンの被害者がふえていくのが楽しいです。

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