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『闇の棲む城 下』

夕方読み始めたら止まらなくなり、しかし雑務のあいだは読めないのでじりじりとしつつ時間ができたらもう一直線。寝る前の読書の時間がいつもの二倍以上になって本を持ってる手が痛くなってきて「これ以上読んでいると明日に支障を来すから止めなければ……」とおもいつつ、最終章の手前まで読んでしまいまして、翌日絶不調に陥いりました。目には目やにがたまってるし手は両手が軋むように痛いまま。ばかです、アホです。でも「わかっちゃいるけど、止められない」状態だったのですよ~。

影の棲む城 下 (3) (創元推理文庫 F ヒ 5-5)
ロイス・マクマスター・ビジョルド 鍛治 靖子
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てなわけで読了!

五柱の神々を信奉するひとびとの暮らす、中世イベリア半島に似た世界が舞台の異世界ファンタジー。シリーズ第二部。
チャリオンの国太后、イスタの気晴らしの旅がとんでもない悲劇と陰謀のなかに巻き込まれる、中年女性でも恋も冒険もできるのよ、小娘なんかよりも思慮深く、という物語の下巻にして完結編です。

いんやー、面白かった。
こんなに一気読みできたの、久しぶりです。
ストーリーテリングが抜群なのよねー。つぎからつぎへと事が起こるので目が離せないんです。

イスタの冒険は自分の軽率な思いつきが発端。とはいえ、彼女の経験に裏打ちされた考察によりものごとの真相が暴かれ、不安ながらも強い意志を持ってよりよき方向への模索がきちんとなされていくのが、無茶振りして当たった結果がホームランという若者の物語と違うところです。

魔にとり憑かれたものがたくさん出てくるお話でしたが、いろんなバリエーションがあるのが興味深かったです。
元の宿主から経験や才能をうばってゆく、という設定もおもしろい。
ちょうど「クロニクル千古の闇」でも魔を動物に憑かせて人間を襲わせる、というような展開があったので、その方法というかシステムの違いも楽しみました。

人間たちのドラマは、アリーズの凄絶な物語が涙を誘いました。
かれを主人公にしたら純然たる悲劇が書けたんじゃないかなー。
背後にある父親ルテス卿の物語が、彼の悲劇性をさらに高めていました。
イスタは最終的には庶子神から前倒しのご褒美をもらったカタチになりましたが、これからも悪態をつきながら使命を果たしていくのでしょうね。

そうそう、この世界では聖者が神様をちっともありがたがっていないようなのが楽しかったです。

五柱教三部作の第三部は舞台がチャリオンから離れるそうです。
イスタのその後やカザリルやイセーレの現状など、知りたいことがたくさんあるし、書こうと思えば書けるんでしょうけど、こういうシチュエーションをむさぼりつくさないのがビジョルドなのでしょうか。いや、翻訳物がそういうところ全般的にあっさりしているのかも。
日本なら、このままイスタの冒険シリーズとかが数巻つづいてもおかしくない、美味しい設定だと思うんですけどね。

第三部の刊行にはまだしばらくかかるそうですが、第一部、第二部に負けない、経験値をもった主人公の活躍を期待しています。

Comment

天才外科医

ゆめのさん、こんばんは。
原題の"Paladin of Souls"は結末まで読むと納得ですよね。
イスタがその技を駆使する場面は、外科手術をイメージしてしまいました。

五公国との関係は緊張状態から小競り合いに発展し、第3部は否が応でも戦いになるのでしょうか。

Leonさん、こんにちは。

イスタの「外科手術」いわれて納得です。心臓の外科手術に似てますよね、雰囲気が。カティラーラとイルヴィンの役目は、さしずめ二機の人工心臓?

第三部にはいったいどこが舞台となるのでしょうね。戦争なら多分敵国となるだろう四柱教のひとが主役だと、物語世界がひろがって面白くなるのではと今から期待していますv

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