『風の王国 目容の毒』

風の王国―目容の毒 (コバルト文庫 (も2-24))
毛利 志生子
4086007878

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読了。

唐王朝からチベットへ嫁いだ公主翠蘭の波瀾万丈ととその周辺の勢力争いをメインにした、少女向け歴史小説。だんだんロマンス味が少なくなってきた、のシリーズ八冊目。

固有名詞とこれまでの展開がよく思い出せなくて、読み出してからしばらく唸りつづけてました。
考えてみれば、この前の巻を読んだのは比較的最近だったけどそれはマンガと短篇で構成されていて、その前の巻は手術をする前でしかもその巻も外伝風味の短編集だったのだった……。本編を思い出せなくても無理はない、と自分で納得。

今回は翠蘭とリジムはほとんど別行動。代わりにいままでは敬して遠ざけていた宰相ガルとの行動が大半を占めるようになってます。おかげでガルとリジムとかれの前妻との過去が読み手にはよりリジムに有利なかたちで明らかに。

お話は歴史的ないろいろをミステリのような展開で事件に仕立てる手際が上手くて、するするっとさいごまで読めました。

ちやほやされたくて嘘をつくひとってやっぱりどこか不幸なんだろうなあと思います。

この巻ではソンツェン・ガムポ王の風格が図抜けていて圧倒的な存在感を放ってますね。
かれの三人の妻の長い年月によって育まれた連帯感というか共感というか役割分担みたいなものも、王様の懐の深さあってこそと思われます。
古い家臣との絆の深さもすばらしい。しみじみと過去をふりかえる老将の感慨に胸をうたれました。

リジムの出番が少なかったのはかえってよかったのでは(苦笑。

翠蘭は相変わらず無茶してますが、それをソンツェン・ガムポ王も認めているように思えますが、これからはすこしは自重してくれるんだろうか……。

というわけで、つづきはこれ。
また書架にあったら借りてきます。
風の王国―臥虎の森 (コバルト文庫)
毛利 志生子
4086008351

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