『陰陽ノ京 巻の五』

陰陽ノ京 巻の5 (5) (電撃文庫 わ 4-23)
渡瀬 草一郎
4840237646

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読了。

平安朝の京都を舞台に、陰陽寮の名家に生まれながら文章道へと進んだ変わり者、慶滋保胤を中心に、あやかしと人とのかかわりを描いた幻想シリーズ、第五巻。

阿倍晴明の留守に、かれと因縁を持つとおもわれる夜盗があらわれた。
天狗の関わりを現場に見た陰陽寮の賀茂光榮に依頼され、保胤は愛宕山の旧知の天狗を訪ねていく――



実に久しぶりに読んだ『陰陽ノ京』でした。
どれくらい久しぶりかというと、刊行されたのが四年ぶりだということだから、たぶんそれ以上のご無沙汰ではないかと。
その間、著者の異世界SFファンタジーシリーズをたのしく読んでいたわけですが、あらためてこちらに戻ってみると著者の本領はやっぱりこちらなのではないかなあという想いを抱きました。
登場人物たちの想いの生きている感じが、日本のしっとりとした自然のなかで育まれている感じが、とても好きだなあ。

やさしい、やわらかい、そして哀切な、あやかしと人間のお話でした。
運命の綾にからめとられて翻弄されて妄執の虜となった外法師の、それこそ思いも寄らぬ正体に、ほんの少しであっても救いがもたらされるラストにうるっと来てしまいました。
しみじみと、いい話だなあとおもった。
今回はアクションシーンもほとんどなかったので、余計にそう感じたのかも。

保胤先生と時継ちゃんの仲はヘタレと天然のためなかなか進展せず。
むしろ、吉平と貴年ちゃんのほうが着実に前進している感じです。カワイイです。つーか、吉平くんは大きくなったらどんな大人になるのであろうか。

あとあと、晴明の奥方にはびっくりでしたが、こちらもぬくもりを感じるエピソードでした。

作者さん、大長編もいいけど、こちらも並行して書いてくださるといいのになあ。
大変でしょうけど。

興味を持たれた方はシリーズ第一巻からどうぞ。
陰陽ノ京 (電撃文庫)
渡瀬 草一郎
4840217408

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