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『アンゲルゼ 孵らぬ者たちの箱庭』

アンゲルゼ―孵らぬ者たちの箱庭 (コバルト文庫 す 5-64)
須賀 しのぶ
4086011360

[Amazon]

読了。

昭和から平成ではなく継和になった日本を舞台にした歴史改変SFファンタジー……。
さすがの須賀しのぶ、一気に読ませてくれました。
そして私は読み終わってこれは○○○モノだ!! と思いました。
ネタバレなのでジャンルは最後に書きます。

とりあえず、お話はこんな感じです。

 中学二年生の天海陽菜は息苦しい毎日を送っていた。時は継和二十年、世界は正体不明のウィルスの流行を端緒にあちこちで戦争を繰り返していたが、東京から遠い神流島でも中学生から軍事教練が義務化されていた。両親を亡くして義理の母とともに生活し、気が弱く体力的に劣る陽菜はとくに教練ではみなからお荷物扱いを受けていたから、なおさらともに行動する友人から見放されたくない。彼女の拠り所はマリアと名づけた森の奥にあらわれる不思議な『妖精』マリアだけだった。マリアの前でなら好きな歌も思い切り歌える。だが、ある日その大切な時間に見知らぬ少年が現れて、陽菜をマリアから引き離したのだ。少年、湊尚吾はマリアが陽菜を沼へ引きずり込もうとしているように見えた、という。



おもな登場人物は、
「流血女神伝」とは正反対のうじうじうだうだのヒロイン、陽菜ちゃん。
彼女のふたりの友人、理子と楓。
彼女の幼なじみで今は軽蔑されていると感じている、野球部のエース覚野基。
軍事教練で陽菜を目の敵にし、陽菜の義母と噂のある防衛軍の少佐、敷島正隆。
そして偶然出逢った、湊尚吾。

ヒロインの優柔不断でまどろっこしい性格はおそらく彼女の世界の不穏な息苦しさ、現代的なリアリティーを演出するためにやってるんだろうなと思われますが、ほんとにストレスのたまるキャラでした。

それでも話が面白いのでぐいぐいと読ませられてしまいます。
はじめのうちはストレスいっぱいの中坊の日常の話かと思いきや、昭和から平成になってないは、軍事教練はしているは、戦争で帰ってこない人がいるは、妙なウィルスで人死にが出るは、防衛軍の基地でお祭りをするはで、どんどん雰囲気がきな臭い方向に。

そもそも陽菜ちゃんが大切に思っていた『妖精』の正体が明らかになる頃には、うへ、これってバイオホラー? などと思ったり。

とにかくストーリーもキャラクターの心情も過不足なく描かれていて、読ませます。物語全体がきっちりと構築されたひとつの世界みたいで、隙がない。
あまりに完全な感じがするあまり、ちょっと親しみに欠けるような気がするほどです。
なんというか、カンペキにしあげられた模範解答を見ているみたいな……というと書きすぎという気もしますが。

いや、面白いんですよ、面白いんですけどね。
「女神伝」のときの熱いパッションは感じられないなあと思いました。
読み終えて、これがシリーズものだってあとがきで知ったくらい、後味もすっきりとしているし。
書こうと思えばあそこやここや、いろいろと素材はあると思うんですけどね。
物語としてはここで終わってくれてもいいかなと思ったくらいまとまってるのですよ。

もし、というかシリーズものなんだから続きはあることは確定しているんですが、この後私が読みたいなと思うところは、陽菜ちゃん中心の話じゃないような気がするなー。

というわけで、最後までひっぱりましたが、ここでネタバレします。
私はこの話、吸血鬼ホラーもしくは吸血鬼SFだとおもう。
文明が崩壊していない時代を舞台にした『トリニティ・ブラッド』、にはならないと思うけど。
とにかく続刊はもっとミリタリー色が強くなるんじゃないかしらんと予想(期待?)しています。
じつは、この本読んでてパッションを感じたのが基地祭の描写ともーちゃん(すごく嫌がりそう・笑)の野球のプレイシーンだったのです。
作者さんが野球好きなのは知ってるので、ここはフフフと笑っておきました。

おもいっきり余談ですが、ベイスターズのオープン戦の成績が芳しくないので寂しいです。

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