『エニシダの五月 黄金の拍車』

エニシダの五月 黄金の拍車 (講談社X文庫ホワイトハ-ト)
駒崎 優 岩崎 美奈子
4062558955

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読了。


中世イングランドを舞台にした歴史冒険小説……にしては幾分事件がちまちまぎみですが、のシリーズ六冊目にして最終巻。

いろいろとタイミングが合わず大幅に時期を外して読んだ「黄金の拍車」完結編です。

シェフィールドに国王一行が訪れた。
グレノウサイドの領主である若き騎士リチャードは、周辺の領主たちと同様に機嫌うかがいに赴かねばならない。国王は王族の庶子との噂がひろまっているリチャードをどう受けとめるのか。身の危険を痛いほど感じつつ緊張してシェフィールドに赴いたリチャードと従兄弟のギルフォードは、なるべくめだたぬように努力する。しかし、出世をめざす教区司祭のジョナサンの画策により国家の危機に関わる事件の捜査にかり出されてしまう。



主役の二人、リチャードとギルフォードが騎士になるまでを描いた「足のない獅子」と比べると、なんとなくストーリーに求心力が乏しかったシリーズですが、けっきょく、このふたりはそろって牧歌的な日常生活からはみ出すことが嫌いな“怠け者”だ、ということで、こういう結末になるのが最善だったんだろうなあと思います。

私としては意に沿わぬながらも事件に関わって解決していく、だけでないシリーズ全体を通した起伏がもうすこし欲しいなあと思いつつ最後まで来てしまった感じです。

だって、ふたりとも騎士になってもやってることはほとんどおんなじ。出世欲はないし、養わなきゃならない身内もないし、精神的にバランスがとれすぎているので成長譚にはならず、恋愛やらなにやらで振りまわされることもなく……平穏無事かもしれないけど読み物としては幾分さみしいような気がするんですけど。

そんな若々しくない若者の話にあって私のお気に入りは、ふたりの祖母、老いてなおかくしゃくとし威厳たっぷりなアンジェラおばあさまと、彼女の杖に対する二人の反応でした。
アンジェラおばあさまよ、永遠に(笑。

ところで、あとがきに短編集のことが書いてありますけど、まだ出てませんよね?

シリーズの第一作はこちら。
足のない獅子 (講談社X文庫―ホワイトハート)
駒崎 優
4062553759

「足のない獅子」シリーズは短編集を含めて10冊あります。
なんだか絶版ぽいんですけど……。

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