ヒーラーズ・キープ(上)守りたいもの
ヴィクトリア ハンリー Victoria Hanley 金原 瑞人

[Amazon]
読了。
『オラクルの光』の著者による、児童向け異世界ファンタジーの上巻。
同著者による『水晶玉と伝説の剣』の後日譚ともなっており、登場人物に前作のヒロインとヒーローの子供が出てきますが、読んでなくとも話はわかるかと。
じつは、この話は前作とは違う出版社から刊行されてるんですよね。
なのに巻頭に「これまでの物語」がくっついてるのです。
親切だなあ……。
しかし、登場人物はまったく違うけれどもおなじ世界のおなじ時代の違う国を舞台にした話も(『オラクルの光』上・下)、またべつの出版社から出ているしなー。
邦訳でつづきものが読めるのは嬉しいけど、気づかないで通りすぎてしまうひともいるのではなかろうか。その点ではあんまり親切ではないよなあ。
なんでこんなことになったのかしらん。
という裏事情への苦情はさておいて。
『オラクルの光』とおなじ世界のおなじ時代を舞台にしているということですが、どうやら地理的には幾分離れたところをあつかっているようで、登場人物が重複している気配はありません。『オラクル〜』の中でヒーラーズ・キープという固有名詞に言及されている部分があるというところが唯一の証拠かな、いまのところは。あとは『オラクル〜』下巻の訳者あとがきの記述ですか。
ダブルヒロイン、ダブルプロットのお話です。
始めに登場するヒロインのひとりミーヴは奴隷としてヨーロッパ的ではない社会に住んでいて、そこで評判の芳しくない貴族モーレン候との出会いから逃亡生活を送ることになります。彼女は行方不明の父親から夢に関する不思議な力を受け継いでいて、それが目をつけられる原因ともなってます。この逃亡生活がハラハラの連続で、なかなか楽しいです。
いっぽう、もうひとりのヒロインは、『水晶玉』の登場人物たちの娘であり、王女でもあるサラヴェルダ(サラ)。こちらはいやし人の訓練を受けるために身分を隠していやしの塔(ヒーラーズ・キープ)に入るのですが、そこで同級生のとんでもない少年バーンにとんでもないことをさせられる羽目に陥ります。
私はというと、断然ミーヴ派。
サラについては、あまりその境遇や育ちについて触れられていないうえに、仕方ないとはいえ相当腹が立つふるまいをしてくれるのでどうにも感情移入がしにくい。バーンなんかに魅惑されてからに、おなじ同級生で善良で賢い少年ドージャンが隣にいるのに! お馬鹿!
……個人的な腹立ちはおいておくとして、この話で重要な位置を占めるのは夢の存在らしいです。
夢と現実のあいだでさまざまな不思議との出会いがあり、また敵との戦いがくりひろげられることになる。このあたりの描写がとてもファンタジーぽくて好きだなーと思います。
そうして、物語はスピーディーに起伏に富んだ展開をし、うわ、このあとどうなる、というところで上巻は終わりです。
やはり描写はあっさりとしていてもっといろいろ書き込めるのにと少し不満なのですが、このストーリーテリングは罪だわ……。
余談。
ヒーラーズ・キープの実務役ドレイデン・ヘスターの飛び抜けた石頭っぷりに思わず感嘆。
すべてが終わったあと、彼女がどういう顔をするのかが今から楽しみです(悪趣味)。
本作のつづき。
ヒーラーズ・キープ (下) たましいの砦
ヴィクトリア ハンリー Victoria Hanley 金原 瑞人

本作の前日譚。
水晶玉と伝説の剣
ヴィクトリア ハンリー Victoria Hanley 多賀 京子

ヴィクトリア ハンリー Victoria Hanley 金原 瑞人

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読了。
『オラクルの光』の著者による、児童向け異世界ファンタジーの上巻。
同著者による『水晶玉と伝説の剣』の後日譚ともなっており、登場人物に前作のヒロインとヒーローの子供が出てきますが、読んでなくとも話はわかるかと。
じつは、この話は前作とは違う出版社から刊行されてるんですよね。
なのに巻頭に「これまでの物語」がくっついてるのです。
親切だなあ……。
しかし、登場人物はまったく違うけれどもおなじ世界のおなじ時代の違う国を舞台にした話も(『オラクルの光』上・下)、またべつの出版社から出ているしなー。
邦訳でつづきものが読めるのは嬉しいけど、気づかないで通りすぎてしまうひともいるのではなかろうか。その点ではあんまり親切ではないよなあ。
なんでこんなことになったのかしらん。
という裏事情への苦情はさておいて。
『オラクルの光』とおなじ世界のおなじ時代を舞台にしているということですが、どうやら地理的には幾分離れたところをあつかっているようで、登場人物が重複している気配はありません。『オラクル〜』の中でヒーラーズ・キープという固有名詞に言及されている部分があるというところが唯一の証拠かな、いまのところは。あとは『オラクル〜』下巻の訳者あとがきの記述ですか。
ダブルヒロイン、ダブルプロットのお話です。
始めに登場するヒロインのひとりミーヴは奴隷としてヨーロッパ的ではない社会に住んでいて、そこで評判の芳しくない貴族モーレン候との出会いから逃亡生活を送ることになります。彼女は行方不明の父親から夢に関する不思議な力を受け継いでいて、それが目をつけられる原因ともなってます。この逃亡生活がハラハラの連続で、なかなか楽しいです。
いっぽう、もうひとりのヒロインは、『水晶玉』の登場人物たちの娘であり、王女でもあるサラヴェルダ(サラ)。こちらはいやし人の訓練を受けるために身分を隠していやしの塔(ヒーラーズ・キープ)に入るのですが、そこで同級生のとんでもない少年バーンにとんでもないことをさせられる羽目に陥ります。
私はというと、断然ミーヴ派。
サラについては、あまりその境遇や育ちについて触れられていないうえに、仕方ないとはいえ相当腹が立つふるまいをしてくれるのでどうにも感情移入がしにくい。バーンなんかに魅惑されてからに、おなじ同級生で善良で賢い少年ドージャンが隣にいるのに! お馬鹿!
……個人的な腹立ちはおいておくとして、この話で重要な位置を占めるのは夢の存在らしいです。
夢と現実のあいだでさまざまな不思議との出会いがあり、また敵との戦いがくりひろげられることになる。このあたりの描写がとてもファンタジーぽくて好きだなーと思います。
そうして、物語はスピーディーに起伏に富んだ展開をし、うわ、このあとどうなる、というところで上巻は終わりです。
やはり描写はあっさりとしていてもっといろいろ書き込めるのにと少し不満なのですが、このストーリーテリングは罪だわ……。
余談。
ヒーラーズ・キープの実務役ドレイデン・ヘスターの飛び抜けた石頭っぷりに思わず感嘆。
すべてが終わったあと、彼女がどういう顔をするのかが今から楽しみです(悪趣味)。
本作のつづき。
ヒーラーズ・キープ (下) たましいの砦
ヴィクトリア ハンリー Victoria Hanley 金原 瑞人

本作の前日譚。
水晶玉と伝説の剣
ヴィクトリア ハンリー Victoria Hanley 多賀 京子

2008/04/07(月) | 読了メモ | トラックバック(1) | コメント(2)





