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『恋のドレスと黄昏に見る夢 ヴィクトリアン・ローズ・テイラー』

恋のドレスと黄昏に見る夢 (コバルト文庫 あ 16-19 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー)
青木 祐子
4086011484

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読了。

ヴィクトリア朝のイギリスを舞台に仕立屋の娘と貴族の御曹司の恋を繊細な心理描写でつづる、少女向けロマンス小説。シリーズ十一冊目。

オルソープ家のアディル嬢みたび登場し、仕立屋の娘クリス、想い人公爵家のシャーロックの変心を恐れて恋の不安におののきたり。
アディル嬢の向かう仕立屋コルベールは、クリスに忍び寄る“夜想(ノア)”の影。
はたしてミセス・コルベールはクリスの母御リンダ・パレスか。彼女と母親の過去によこたわるはいかなる悲劇か犯罪か。
複雑に絡み合う若者たちの感情が、闇のドレスとこころの影をひきよせるのか。
ああ、まさに青春、まさに階級社会のなせる悲劇とはこのことよ!



……なーにやってんですかね。いや、ちょっと最初は騎士物語の小タイトルふうに、そのうち無声映画の活弁士みたいなノリをしてみたかっただけなのでして。そういう雰囲気なんだもの……(なにを言い訳している)。

今回はアディル嬢がほんとうにシャーロックを好きだと自覚してからの葛藤と、シャーロックが“夜想”とミセス・コルベールを追跡しつつ、クリスからのアプローチを待ちつづけている葛藤と、クリスが母親の存在を感じつつ、やはりシャーロックからのアプローチを待ちつづけている葛藤が、くんずほぐれつ絡み合う展開でした。

ようするに、みんな臆病なんですねえ。
階級社会からはみ出すことと、自分のいつもの行動範囲から飛び出すことと、両方への不安にがんじからめで、どうにも身動きとれません、という三人です。

それでもアディルはみずから求めて“夜想”へ行った。彼女には捨て身の覚悟ができたわけです。シャーロックのふんぎりはアディルのおかげでついたものかなあと思います。これでアディルはまた一段と魅力的なお嬢様になったことでしょう。私は彼女がけっこう好きでした。彼女のためにも、シャーロックはクリスと頑張らねばならないのです、うむ。

あと気になるのはミセス・コルベールと“夜想”の謎ですかね。

それと、クリスのことをさりげなくフォローするちゃきちゃきのパメラちゃんに対するシャーロックの観察は、なかなか親しみがあってよろしかったです。
このふたりと知り合ったことは、社会の見方の幅を広げるという点で将来の政治家さんにとってもよい経験になってるんじゃないでしょうか。

ほんと、パメラちゃんがいないとクリスには安心して憩える我が家がなくなっちゃいますからねえ。
この“薔薇色”の設定は根本的にへんだといまだに私は思っているのですが、こういうあたたかな空間が描かれること自体は大好きなので、ちょっと悩みます。いや、私が悩んでもしようがないんだけれども。

ドレスの描写が少なかったのがちと残念でした。

つづきをお待ちしています。

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