『クロニカ 太陽と死者の記録』

クロニカ―太陽と死者の記録
粕谷 知世
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読了。

第十三回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作を改題、大幅加筆したもの。

おおー、面白かった!

これはたいそう私にとってタイムリーな小説でした。
それというのも舞台が16世紀スペインによって征服されるインカ帝国なのでして。これがちょうど先日読んだ、『エリザベス女王と寵臣ウォルター・ローリー』と時代的に重なって時代背景への視野をさらにひろげてくれたのと、被征服者側から見た異文化異文明異民族との接触とそれによってもたらされる悲劇というつねに私の興味をひいてやまないテーマであったこと、さらに最近ゆっくりと情報を集めつつある中南米のことだったこと。さらに私がファンタジー的にいつも考えてしまう言葉とか文字とかのことについての考察が盛んになされること。

これだけ重なって、さらに語り手がとんでもないおじいちゃんなのだ。
名古屋弁を話すミイラなのだ。
ばあちゃんもたくさん出てくるのだ。
みんな愛嬌たっぷり。
じじばば萌えの私には堪えられない設定ではありませんか!

それにね。やっぱりマジックリアリスムは南米に似合いすぎです。

このあいだ読んだ『アマゾニア』も面白かったけど、こちらも甲乙つけがたい面白さでした。
できるならば今度はマヤを舞台にしたお話を書いてくださらないかなー。
インカとは違いマヤには文字があって、それも現在ではけっこう解読されてきているみたいなので、時期を待ってるのかもしれないけども。

とにかく、こっけいで楽しくて哀しくて、いろいろと考えさせられるたいそう興味深い本でした。
さすがに日本ファンタジーノベル大賞と思いました。最近のはどうなのかしら。

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