『天山の巫女ソニン 1 黄金の燕』

天山の巫女ソニン 1 金の燕
菅野 雪虫
4062134233

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読了。

朝鮮半島っぽい雰囲気のある異世界を舞台とし、巫女として落ちこぼれた少女の数奇な運命と成長をえがく、ファンタジーシリーズ。開幕編。

ソニンは生後まもなく巫女の住まう天山へ連れてこられた。彼女には巫女として多大な期待がかけられていたのだが、なかなか夢見のすべに上達することができず、次第にその力もうすれてしまう。十二歳になってとうとう巫女としての見切りをつけられたソニンは、死んだと聞かされていた両親と姉の家に戻ることとなった。すべてのことに距離を置き、情に流されてはいけないと教え込まれてきたソニンにとって、ひとびとの日常は驚くことの連続だ。友人もでき、ようやく新しい生活に馴染んできたある日、ソニンを新たな出会いが待ち受けていた。



やさしい語り口でするすると読ませてくれます、たいへん楽しい本でした。
文章にしてもストーリーにしても描写にしても、細かいところまでさりげなくゆきとどいているなあというのが印象です。物語はどこまでもやさしげかつ簡潔なのに、さりげない一言一言に深い背景が感じられるというか。登場人物ひとりひとりの扱い方にもおろそかにされているものはひとりもいなくて、親代わりのノアや友人になったミン、沙維国の末の王子イウォル王子や王の武官イルギと、わずかな描写にそれぞれの人生を思い浮かべられるよう。

著者は大人の書き手だなーと感じながら読みました。
といって、子供を見おろしながら書いたようにところもなくて、じつにニュートラル。
ヒロインの波瀾万丈にもかかわらず安定して穏やかーなかんじで読み進められました。臨場感には乏しい気はしますが、物語であることが前面に出るこういう書き方もいいなと思わされます。読み手の年齢に応じた読み方ができそうなお話だと思いました。

個人的事情からけっこうドキドキするシチュエーションがつづきましたが、ソニンの運命が国の大事に結びついていく様がさらりと描かれているのにたいそう感心致しました。手際がいいなあ、上手いなあ。

たいそう面白かったので、つづきも読みたいと思います。

天山の巫女ソニン 2 海の孔雀
菅野 雪虫
4062138336

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