『天山の巫女ソニン 2 海の孔雀』

天山の巫女ソニン 2 海の孔雀
菅野 雪虫
4062138336

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読了。

巫女を落ちこぼれた少女が数奇な運命によって様々な体験をする、朝鮮半島風異世界ファンタジー。


沙維の国の末の王子イウォル付きの侍女になったソニンは、王子たちの病を治すのに一役買ったことで王家の信頼を得たが、宮廷の一部からはねたまれるようになっていた。
隣国である巨山と江南の戦に翻弄され、江南の信用を失ってしまった沙維は江南に無理な援助を要求されるようになってしまったのだが、イウォル王子は江南の第二王子クワンを崇拝していた。国内では自分の存在が軽く扱われることに失望した王子はクワン王子からの留学の誘いを快諾した。ソニンはクワンの行動には裏があるような気がしていたが、言い出すことはできず、王子について江南の国に行くことになった。



ふー、面白かった!
一巻同様、流れるようにくり広げられる巫女ソニンの冒険(?)ものがたりです。
今回はおもな舞台を隣国江南にうつしましたが、沙維との地形や風土の違い、ひとびとの容貌や気質、くらしの違いをさらりと織り込んで、かわらず政治的なかけひきや人の光と影から生まれる暗い出来事を大人の視点でやさしくさりげなく、しかしシビアに描いてました。
幻想成分は一巻からさらに少なくなってしまいましたが、ひとびとの生が丁寧に描かれているので不満はありません。

前回は巫女下がりの后レンヒの存在感がすごかったですが、今回も黒幕は女性です。
江南の王妃様。
このひとは、無邪気を装ってその実自分の影響力を最大に生かして人を動かす、陰の権力者とでもいいたいような凄みがありますねー。
こういう人間は大嫌いなんですが、物語の登場人物として書くのは楽しそうだなーと思いました。
でも、王様、自分の后を暴走させないでよーとも言いたいなあ。
気づいていても放置してるってことは、自分の妻と正面から向き合ってないってことだもんねー。
政略の道具としてしか見てないからこういうことになるのよ。
愛情がないからしょうがないかとも思うけど、政略結婚はこういうマイナス要素もきちんと考慮に入れるべきと思うです。

いっぽう、なんだかんだといろいろあったけどクワン王子はすっかり株を上げました。
リアン王女の人生があかるく温かなものになればいいなあと、ひそかに願っておりまする。

シリーズは続刊が出ている模様。
天山の巫女ソニン(3) 朱烏の星
菅野 雪虫
4062144859

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