『身代わり伯爵の冒険』

身代わり伯爵の冒険 (角川ビーンズ文庫 64-1)
清家 未森
4044524017

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読了。

異世界ラブコメディーむろん少女向け。
「身代わり伯爵」シリーズ一作目。


祖父と母親といとなむパン屋の業績拡大への野望を実現するために日夜不断の努力を続ける少女、ミレーユ。ある日彼女はパン屋を訪ねてきた見知らぬハンサムな貴族に誘拐された。じつは彼女には隣国アルテマリスの貴族の養子になっている双子の兄がいるのだが、その兄フレッドがこともあろうに王太子の婚約者と駆け落ちをしたという。見知らぬ貴族は兄の副官のリヒャルトといい、めざめたミレーユは今まで知らされていなかった自分の出自――死んだはずの父親が生きていて、アルテマリスの王弟で公爵だという――とともにフレッドの醜聞をもみ消すためにミレーユに兄の身代わりとして王宮に出仕してくれと頼まれる。伯爵で王女セシリアの近衛騎士団団長であるというフレッドの代役が、いくらうり二つで貧乳とはいえ女のミレーユにつとまるのか。いやいやながらも丸め込まれてしまったミレーユは緊張しながら王宮へと向かうが、そこでであった出来事はミレーユの女の意地に火をつけた。




たのしいお話でした。
元気で明るいけどもてない女の子と爽やか系の頼れる兄的ヒーローの、ちともどかしいラブコメディー。
なんといいますか、王道というかドリームというかちょっと古風な少女マンガというか、こんなお話、一度は書いてみたいと思うよなあ……というかんじの設定とキャラクター配置と展開でした。
どこまでも予想の範囲内ですが、裏切られることなくその場その場をるんるん楽しめる、というやつです。
ミレーユとリヒャルトのすれ違いも古風ですが、とくに、うぶなミレーユをむくつけき男どもがからかいまくるあたりが、ものすごく古風な気がしたです。

古風といえば、ミレーユのキャラクターがそもそも古風な趣が。
すごく元気で守銭奴ぽいんだけど、まっすぐで疑うことを知らずおひとよしという、じつにのびやかで安心できるまるい感じの女の子。そうか、安心できるヒロインというのは最近のラノベではあまり見かけないんだな。だから古風な気がするのか。

お話的には、かなりミレーユの純真さにおんぶしてるなーと思いますが、これだけの分量できちんとまとまっているあたりは好印象でした。
いかにもシリーズですよーという終わり方は好きではないので。

惜しむらくは、私がミレーユのまぶしいくらいの元気さにあてられて脱力してしまうという情けない読者になっていたことです。
ごめん、おばさん、ついていけない……。

むしろミレーユと正反対の腹黒フレッド君のお話のほうがついていけそうな気がします。

シリーズは四冊でている模様。つづきはこれ。

身代わり伯爵の結婚 (角川ビーンズ文庫 64-2)
清家 未森
4044524025

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『身代わり伯爵の冒険』の感想

『身代わり伯爵の冒険』清家未森(イラスト・ねぎしきょうこ)角川ビーンズ文庫平成19年3月25日再版発行/¥476+税「フレッドたちの行方はすでに捜索隊を派遣して探らせています。 一ヶ月後の婚約披露宴までに見つけ出せれば問題はありません」「で、でも、見つからなか...