『ヴァンパイア・キス』

ヴァンパイア・キス (小学館ルルル文庫 (ルマ1-1))
マリ・マンクーシ
4094520651

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読了。

双子の姉と間違えられて吸血鬼にされてしまった女の子の、ドタバタラブコメディー。


サンシャイン・マクドナルドは品行方正で純情サニーとあだ名されるほど奥手の女の子。双子の姉のレインはゴシックやアンダーグラウンドにのめり込んでいるが、サニーは趣味もいたってまともだ。ところが、ある夜レインに強引に連れてゆかれた〈牙倶楽部(クラブファング)〉なるその手の人たちの集まりで、サニーはとてつもなく素敵な少年と出会う。真っ青な瞳にすらりと引き締まった身体。まるでパイレーツ・オブ・カリビアンのオーランド・ブルームみたい! 見とれていると彼はなぜかサニーに眼を留めて、思い切り気のありそうなアプローチを仕掛けてきた。会話の端々から誰かと間違えられているような気がするけれど、天にも昇った心地のサニーは反論することができない。成りゆきにまかせているうちにとうとう彼はサニーにキスを始めた。サニーは夢見心地だった。彼が彼女の首筋に噛みつくまでは。




アメリカ人作家による少女向け異種恋愛小説、コメディー風味。
『プリンセスダイアリー』に雰囲気が似てるーと思いながら読みました。
父親が不在で、フレンドリーな母親がいて、奇天烈な相棒がいて、平々凡々な自分に嫌気がさしつつもはみ出す勇気のないいい子ちゃんがヒロインで、表に出されない反動か内心が饒舌。
学校では一部の人気者のグループがセレブみたいに集ってて、生徒たちの関心はダンスパーティーのパートナー選びとか。

そんなじつに現代アメリカだなーという舞台を背景に、今回くり広げられるのはのぞまないのに吸血鬼になりつつあるヒロインの葛藤と、自分を吸血鬼にした相手の青年、つまり吸血鬼との遅々として進まないロマンス。

陽気なんだか能天気なんだか後ろ向きなんだか、読んでるこちらの目がまわりそうなめまぐるしいヒロインの一人称が、状況のおかしさを倍増させてくれます。

ものすごく素敵な王子様、もとい吸血鬼かと思ったマグナス君が案外ヘタレキャラだったりするのも、当世風?

楽しかったです。

これを読んでいると、いまのアメリカでの吸血鬼のスタンダードはアン・ライスとか聖少女バフィーなんだーということがわかったり、アーサー王の聖杯の話もやはりメジャーなんだなあということに親近感がわいたりして、いまの若い人向け娯楽小説ってアメリカも日本もそんなに変わらないのかもと思いました。

ただ、日本で日本人が主人公だとこんなに簡単にドルイドに会いにいったりはできないけどね。アメリカでは日本風ファンタジーなんてあんまり書かれないだろうし。

それに、ヒーローの描写はやっぱりアメリカ。吸いこまれそうな青い瞳はいいとして、割れた腹筋にどーしてこんなにこだわるんだ。
大人向けじゃないのでそれほど露骨じゃないけどね(苦笑。

そんなわけで、アメリカ風の異種ロマンス少女小説もなかなか面白いと思ったことでありました。
ラストの能天気なハッピーさも、アメリカかなあ。
こんな状況、いずれ破綻が来ると思うのだけど。まあお話だし。コメディーだし。

本国では続編が出ているそうです。
姉レインが変身する、かもしれないラストに興味をひかれているので読んでみたい。


吸血鬼ものでもファンタジーでもないけど、アメリカンな少女向けラブコメ。
プリンセス・ダイアリー 1 (河出文庫)
メグ・キャボット 金原 瑞人 代田 亜香子
4309462723

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