『風の王国 花陰の鳥』

風の王国 花陰の鳥 (コバルト文庫 も 2-27)
毛利 志生子
4086008718

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読了。

中国の唐王朝時代を舞台に、吐蕃の王に嫁がされた公主の波乱の人生を描く歴史ロマンスシリーズ。十冊目はヒロインの舅の大王ソンツェン・ガムポと妃ティモニエンの出会いを描く番外編。


「ソンツェン・ガムポ王が二人目の妃を捜している」
モン家は宰相だった当主のマンツァプが王に処刑されてから落ちぶれてゆくばかり。マンツァプの娘ティモニエンは母親から王を恨んでの悪口ばかりを聞かされるが、王に出仕した兄はその偉大な事を褒めちぎった。そろそろ年頃のティモニエンには隣の領地に住むテペックから求婚されていたが、大乗り気の母親に反して、ティモニエンは彼の人柄がどうしても好きになれない。そんなある日、テペックから屈辱的な扱いを受けたティモニエンは、ソンツェン・ガムポ王の妃候補に名乗りをあげると宣言した。




若き日のソンツェン・ガムポ王=レグンの姿が鮮烈な番外編。
このシリーズはいつも一定レベルで楽しめるのですが、ひさびさに大変面白かったです。

男女の出会いと恋の話でありながら、政治的な勢力争いの話でもあり、ちょっとしたミステリでもあるという、一粒で三度美味しいお話でした。

やっぱり、私は出会いのところが一番好きなんだなと自覚しましたよ(苦笑。

不覚にして、私はティモニエンがどういう妃だったかすっかり忘れ果てているわけですが(嗚呼、涙)、そんなことは記憶になくても十分に理解できました。

それにレグンがたいそうかっこよいです。
最初から善悪を超えた存在である事がわかってたからか、何をやっても背後に深謀遠慮を想像してしまい、かなりお得な立場であった事は否めませんが、女性であってもひとりの人間としての扱いを求めるティモニエンの才気煥発さをおおきく受けとめる懐の深さに痺れました。そして、守ってやるなんてお安く保証はしない代わりに自分の言葉で説明する。たしかに回りくどい言い方ですが、ティモニエンなら理解できるという信頼の元に発せられた言葉には重みがあります。

だけど理解できなかったらまた態度も変わるのだろうなー……。
冷たいかもしれないけど、そういう状況で生きると覚悟した人間の、それが周囲に対する敬意の払方なのかもしれないですね、

レグンに比べるとリジムはまだ甘いと言わざるを得ませんな。
偉大な人物の息子という立場はいろいろと難しいなあとつくづく感じました。

本編よりもこの続きを読みたいような気がする……。
本編もいまは激動の展開らしいですが。

のろまな私はまだ当分追いつけそうにありません。
このつづきはこれですね。

風の王国波斯の姫君―小説+まんが (コバルト文庫 も 2-28)
毛利 志生子
4086010089

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