『窓の向こうは夏の色 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』

窓の向こうは夏の色 (コバルト文庫 あ 16-20 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー)
青木 祐子
4086011832

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読了。
ヴィクトリア時代のイングランドを舞台にした、仕立屋の女の子と貴族の跡継ぎ息子のロマンス小説。シリーズ十二冊目。短編集。

収録タイトルは以下の通り。


ドレッシング・ルームの高い窓
希望という名の猫
窓の向こうは夏の色
幸福な淑女

あとがき



今回はクリスとシャーロックの話から離れて、ゲストを中心にした短篇が二作。十四歳シャーロックの男の子っぷりが楽しい一作。そして『恋のドレスと秘密の鏡』のゲストキャラだったモアティエ公爵家の当主ヘンリーとその正妻ドロシアの話という構成です。

バラエティに富んだ作品集でした。

印象的だったのは「ドレッシング・ルーム……」と「幸福な淑女」。
前者は家のために自分を抑圧してきた女性の、自分からの解放がすがすがしかった。

後者は打算の結婚に理想を求めることをやめられない女性の、哀れだけれどもちと腹立たしいお話。ドロシアの知ったかぶった世間知らずとか成長しないままの妄想爆発自己中心とかなり読み味が不快ですが、娘のコーネリアの選択如何によって後味がどうなるかが決まる気がする。

そしてモアティエ公爵ヘンリーはいいとこ取りをしすぎです。
ま、かれも苦労はしてるんだけどすべて自分の計画したことですからね。
やり遂げる覚悟はあるはず。

ドロシアの不幸は世間の常識を過剰に信じて現実を見ず、自分の感情を欺いたことかなー。

ひととひととのあいだの機微が細やかに描かれていて、ゆきとどいた印象の残る短編集でした。
クリスの作るドレスの描写も楽しかったです。

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