『ともしびをかかげて 下』

ともしびをかかげて 下 (3) (岩波少年文庫 582)
ローズマリ・サトクリフ 猪熊 葉子
4001145820

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読了。

ローマン・ブリテン四部作の第三作下巻。

しみじみと、いい話だなあ~~~と。
それ以外の何かを書こうとすると思い入れから過剰に書き連ねかねないので自粛します。

とにかく、サトクリフの臨場感のある描写には脱帽いたしました。
こんなこと体験しようったってできないでしょう、というようなシーンをどうしてこんなにリアルに描けるのでしょう。

解説の上橋菜穂子さんの

サトクリフが見ていただろう「風景」が、異常なまでに細かく、広い、ということだ。



という文章には深く深くうなずけます。

このリアル感は作品の隅々にまで徹底されて、歴史の波が押し寄せてくるなか、苦しみあがきながら運命を受け入れて生きてゆこうとするひとびとの輪郭が、書き手の感情はいっさいあらわさぬままに淡々と描かれていくところがたまりません。

ことにこの作品は、主人公の置かれた境遇が他作品よりも苛酷であり、かれが運命を肯定するまでの葛藤が並々ならぬものであるために、最後に訪れる感慨にはたいそう深いものがありました。

これが児童書で出ているなんてもったいないです。
私が児童の時に読んでも、意味はわかんなかったと思うしさ←これが本音。

今回の再読でさらにサトクリフ作品のすばらしさを堪能できてとても幸せでした。

ともしびをかかげて 上 (1) (岩波少年文庫 581)
ローズマリ・サトクリフ 猪熊 葉子
4001145812

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