『アボリジニー神話』

アボリジニー神話
K. ラングロー・パーカー H. ドレーク‐ブロックマン K.Langloh Parker 松田 幸雄
4791754360

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読了。

オーストラリアの先住民アボリジニーの一部族に伝わる神話伝説をあつめた19世紀のイギリス植民者の娘K.ラングロー・パーカーの著作をH. ドレーク‐ブロックマンが編集したものの邦訳。

先日読んだ『アボリジニーの世界』から神話に進みました。
べつにシリーズとして繋がってるわけじゃないんですが、結果的にこの順序で読んでよかったなとしみじみ思います。

じつはこの本、読むのにもの凄く時間がかかったのです。
前回も相当苦闘しましたが、今回のもかなりの悪戦苦闘でした。
といって前回のように難しい文章がたくさんでてくるわけではなく、ただひたすら、シンプルすぎる文章が眠かった。そしてどうして眠いかというと、アボリジニー独特の思考過程が読めてないからなのだと思われます。

まず固有名詞にまったくなじみがなく、したがってどういう含みのある言葉なのか理性的にも感覚的にも雲をつかむようであること。

さらに動物として登場したのだと理解していたキャラクターがいつのまにか人間だったり、人間だったはずなのに当然の顔して動物だったりと、映像的なイメージがわきにくかったこと。

これはたぶんアボリジニーたちが動物も人間もすべてはおんなじと考えているせいもあるのだろうと思われますが、これにはそうとう混乱させられました。

たぶんこれはその動物を始祖とする部族の人間であるってことを意味してるんだなと推測しつつ読みましたが、それがまた別の動物の起源を語っていたりするといっしゅん方向を見失います。

アボリジニーの神話はすべて世界の始まりのドリームタイムのできごとについての話なのだと、私が前回の本で理解したのはそういうことでしたが、この、人が動物で動物が人で状態というのもなんとなく夢の中の出来事として理解できるのかもしれません。

でもって夢ってぜんぜん理性的じゃないから、だから読みにくいのかなあ……。

ひとつひとつの話はそれなりにおもしろいし、不思議だし、いろいろと興味深いので、取り出してきちんと読み込めば深く理解できたかもしれませんが、読み始めるとなぜか眠くなってしまうのでそんなところまではとうていたどり着きませんでした。

前述の『アボリジニーの世界』を読んでなかったら、最後まで読み通せなかったかと思われます。

そんな朦朧読書の中で印象的だったのは、ここでは太陽が女性で、月が男性であること。
ウィーリーヌンという賢者が出てくる話がたくさんあるのですが、賢者のくせに悪いことばかりしているなあってこと。

あと、物の起源の話とか、地形の起源の話とかがたいそう多かったような気がします。

地形の話を読んでいるとこれがソングラインにつながっていくのかなと感じて、すこしワクワクしました。少しというのはホラ、半分寝ていて朦朧としているからですね。

ところで、オーストラリアの先住民をさして一般的にアボリジニーといいますが、もともとこの言葉は固有名詞ではなく原住民や原生動植物を意味する一般名詞なのだそうです。

これってイヌイットと似たような変遷ですねえ。

それから訳者の松田幸雄氏。
この方、神話伝説の翻訳でよく見かける方ですが、そもそもは詩人だったのですねえ。シラナカッタ。
翻訳をされる詩人の方ってけっこう多いような気がする。

収録タイトルは以下の通り。
たくさんありすぎなのでたたんでおきます。


はじめに
挿絵について

エミューのディンナーワンとシチメンチョウのグーンブルガッボン
いかに太陽は造られたか
南十字星
ナーラン湖の始まり
バイアーメのボラー
ウィーリービラのグードゥー
エレアーンバー・ワンダーの発見
ベイビーメーカー
ヨタカと月
カエルの先触れ
火の創造者
イグアナと黒蛇
モノマネドリのウィーダー
ソルジャーバードのディージーンボヤー
明けの明星のマリアンガー
カラスのウィーリーヌン、ワーン
雨鳥
降雨術師のウィーリーヌン
バールーのイヌ
花の伝説
冷たい西風のギーガー・ギーガー
ビルバとメイラー
小川にムラサキガイがある理由
エミューのディンナーワンとカラスのワーン
ペリカンのグーレイヤーリー
カンガルーのボーラー
ボーラー、闇を追い払う
ギャラーとトカゲのオゥラー
セキレイのディーリーリーと虹
石のカエル
メイヤーメーイ、七人の姉妹
ワーランナーの海への旅
ワーランナーの見た不思議
ブラック・スワン
霜はどこから来るか
踊る鳥
ウィーオンビーンとピッギービラ
ハリモグラのピッギービラ
蜃気楼作りのビーリーウン
カササギのグールーとワールーガ
黒い胸のカササギ
カメのワヤンバー
カメのワヤンバーとシチメンチョウのウォッグーン
羽冠をもったハトのグーラーウィリール
赤い胸のコマドリ
コウモリのナラーダーン
樹皮トカゲのワルーバール
カモノハシのガヤーダリー
褐色と黄色の大蛇、バッバー
小さな灰色のフクロウのイーリン

補遺(1) より深い興味を持つ読者のために
補遺(2) アボリジニーと彼らの生活
アボリジニー用語集
参考文献
訳者あとがき

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