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『魔使いの秘密』

魔使いの秘密 (sogen bookland)
ジョゼフ・ディレイニー
4488019587

[Amazon]


読了。

近世イングランド風異世界徒弟ファンタジーの第三巻。
『魔使いの呪い』のつづきです。

面白かった!

タイトル通り、今回は魔使いの過去に関わるあれやこれやが事件にふかーく関わってきました。過去というのは、いままでいろいろ伏線がはってあったとおり、魔使いの女出入りの話だった。

主人公トムくんが13歳なのを考えると、いくらなんでもこれはハードなのではないかい?と感じてしまうような男女の修羅場の存在を想像させてしまう魔使いグレゴリー氏の遍歴とその遺産から派生する魔がらみの事件……。いいのかこれで、と思いつつ、いいのだこれでと心の声が答えます。

なんといっても、ガキのクセしてトムくんもアリスというとんでもない女の子と友達なのですからね。しかもこの書かれ方からして、ふたりの関係はこのままお友達で過ごしていくというわけではないようなあるような。

いずれにしろ、描写があっさりとしていて現在の魔使いとラミア魔女メグの態度も大人のそれであるため、ぼんやりしていればなんということもない児童書として読めますが、深読みし出すとこれはとんでもない話であるなあ。13歳にして完全に自立をうながされる展開も厳しいが。

師匠が弱点をたくさんもっている徒弟話というのも、なかなか珍しいような気がする。その弱点そのものがトムのお手本になっているといえるけれども。

そしてトムの未来を暗示するように、アリスはまたいつものようにことごとくトムの予想を裏切る活躍をしてくれます。
彼女は彼女の最善を願って行動しているんだけど、その行動論理が魔使いやトムのものとずいぶん違うから混乱が生じてしまうわけです。

理解のできないものは正しくない、だから目の届くところにおいて監視しなくてはとすぐに考えるのが男の悪い癖だと思う。

そもそもコミュニケーションが不足しているのが原因なんだからもうすこし彼女の言い分を聞いてあげればいいのに、と女の私は思うわけですが。

そんな魔使いに教えを受けながら、ぶち切れたり裏切られたと感じたりもするのにトムがアリスとの友情を捨てないでいてくれるのが、奇跡のように感じられるのは私だけでしょうか。うーん、たぶんトムのお母さんの影響だとは思うんだけどね。

今回は極寒の地の陽の射さない谷間にある魔使いの冬の家が、陰気でおぞましくて楽しかったです。地下室にたくさんの魔が封じられてる家に暮らすのって、スリル満点ですね。

期待していたトムのお母さんの秘密は、ほとんど暴かれたような気もするけどまだ話的には秘密の段階。
ラミア魔女メグが帰っていった海の向こうと何か関係があるのかな、と思いつつ、つづきはまだ刊行されていません。

ううう、気になるなあ!
ぜひはやくつづきを出してもらいたいものです。

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