『鬼仙』

鬼仙
南條 竹則
4120037940

[Amazon]


読了。


明清時代の中国の奇談集を元にした、幻想短編集。

元になっているのは『緑窓新話』とか『聊斎志異』とかだそうな。
申し訳ありませんが私は中国の幻想譚はとんとわからないので、そうなのか、なるほどーと思うしかありません。

ただ、本文中にもあるとおり、作者さんは起承転結きっちりとした現代風の短篇よりもいくらかふくらみのある、どこか伝聞調でなんとなく話が終わる、淡泊なお話がお好みのようで、実際収録された作品もそんな感じのものが多くなっています。

身も蓋もなくいってしまえば「だからどうしたんだ、このあとはどうなったんだ」と言いたくなるような茫洋とした読後感。
話に落ちがないともやもやとしてしまうのは、現代人がせっかちだからでしょうか。

でも不思議な話というのは元来そうしたものなのかもなあ、と思いいたりました。
ええっ、なんでそうなるのと思っても、話は当事者がするものではないから詳細は不明。
そのわからないところを想像をたくましくして、「たぶんこうだったんだろう、真相はおそらくこう」と理由付けするのが作家の役割。

とすると、この短編集の場合そのところが放棄されていると言えないでもないけれど、落ちがないだけにいつまでも後味が消えず尾をひいていく。

そういうのがお好きな方にはたまらないのかもしれません。

結局私は白黒つけたい派だったようです。

収録作品は以下の通り。


鬼仙
夢の女
犬と観音
小琴の火鍋

唐山奇談
仙女と温泉に入りそこねる話

後記


Comment

Comment Form

管理者にだけ表示を許可する

Trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)